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ネット通販、出店者保護へかじ 規制法案を閣議決定

2020/2/18 5:30 (2020/2/18 9:53更新)
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政府は18日、巨大IT(情報技術)企業に取引条件を明確にするよう求める新法案を閣議決定した。米アマゾン・ドット・コムや楽天などのネット通販企業に出店者との間の契約を開示するよう義務付け、国に定期報告させる。競争法上の問題があれば、公正取引委員会に対処を求める。出店者の保護に一歩進み、IT大手は対応を急ぐ。

新法は今国会に提出し、早ければ2020年度中の施行をめざす。まずは通販サイトやアプリストアの運営会社を対象にする。一定規模以上の売上高で影響力が大きいアマゾン、アップル、グーグルのほか、日本勢では楽天、ヤフーが対象になる見通しだ。

新法でIT大手を規制するのは、ネット通販が普及する中で特定のサイトに頼って販売をする出店者が増え、一方的に不利な契約を強いられる事例が出てきたためだ。例えば売上高の8割を頼る通販サイトから、他サイトよりも安い価格で商品を出すとの契約を求められれば、応じざるを得ない。

新法ではIT大手に出店者との間でかわす契約内容を開示させる。スマートフォンのアプリなどで、アプリ内課金を求める条件や理由が開示の対象となる。出店者にとって条件などが明確になれば、IT大手との間で取引開始後のトラブルになるリスクを減らせる。通販サイト側が契約変更をするときは、出店者に事前に通知することも義務付ける。

IT大手が強い立場を生かして一方的な契約をするのを防ぐため、出店者の意見や不満に耳を傾ける体制づくりも求める。特に海外のIT大手と日本の出店者とのトラブルが放置されないようにするため、国内で窓口となる担当者を置くことを求める方針だ。

IT企業は年度ごとに1回、経産相に取引の自己評価を提出し、評価を受ける。開示が不十分であれば、法律に基づいて社名公表や是正の命令をする。独占禁止法に反する恐れがある場合は、公取委に対処を要請する。

IT企業は対応に動いている。Zホールディングス(HD)傘下のヤフーは、大学教授や弁護士、消費者団体の代表者などで構成する有識者会議を設ける。情報開示への取り組みが十分かどうかや、出店者との公正な取引のあり方などを第三者と議論する。

楽天は運営するネット通販「楽天市場」で3月中旬から1回あたり3980円以上の購入で送料を無料にする方針を示し、一部の出店者から反発を受けた。同社は「送料込み」の表現に修正して実現を目指す。

新法が施行されれば、契約内容は実施前に詳細に説明することが求められる。楽天は出店者との関係や経産相への報告の仕組みなどについて「コミュニケーションや説明責任をさらにしっかり対応できるように努める」としている。

欧州連合(EU)では既に巨大ITに取引の透明化を求める規則を策定。日本の新法も基本的にEUの枠組みを踏襲している。米欧の取り組みに詳しい池田毅弁護士は「(欧州の厳しい規制に対応してきた)米IT大手より、ヤフーや楽天などの日本企業が対応を迫られる可能性がある」と指摘する。

競争法が専門の平山賢太郎弁護士は「公取委はデジタル広告の寡占も調査しており、新法の規制対象は広がる可能性がある」と話す。

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