メニューを閉じる
2020年4月6日(月)
1801 : 建設・土木
東証1部(優先)
日経平均採用 JPX日経400採用

【総合建設大手】首都圏で競争力が強い。海外事業を強化。非同族。

現在値(14:51):
3,265
前日比:
+175(+5.66%)

京都に金閣・銀閣、「銅閣」も? 明治の商傑が建造
とことん調査隊

関西タイムライン
2020/1/28 2:01
保存
共有
印刷
その他

京都を代表する寺院で観光名所でもある金閣寺と銀閣寺。米国から来た友人に「ブロンズ(銅)はあるのか」と聞かれた。「オリンピックじゃあるまいし」と思いつつネットで調べると、「銅閣」なる建造物がヒットした。京都での勤務から約2年の記者(27)も知らなかったことだ。

東山の円山公園から石畳を南に徒歩10分ほど。青銅色の屋根が目に入ってきた。料理屋や寺院など低い建物が並ぶ風情ある町並みではひときわ高く、空を突き抜けるように立っている。グーグルマップでは「銅閣」を指し示すのがこの位置だ。褐色の壁面や青銅の屋根はたしかに「ブロンズ」感はあるかもしれない。

近くを通りかかった女性に話しかけてみると「よく目立つ建物だけれど、銅閣とは知らなかった」と話した。京都市出身とのことで、地元の人にも知名度は低いようだ。

この建造物は高い塀で囲まれている。どうやら寺院の敷地内のようだ。勇気を振り絞って入ってみた。

本山龍池山大雲院。「『銅閣』と呼ばれるかたもいらっしゃいますね」。住職の佐藤善穣さん(84)が応対してくれた。1587年の創建で、織田信長・信忠父子のゆかりの寺という。

かつては四条河原町付近にあったが、京都高島屋に跡地を譲ったため、現在の東山に移った。その敷地に建っていたのがこの建物だという。詳しく聞いてみると、「銅閣」は通称で、正式名称は「祇園閣」。佐藤住職は「ある方の思いが詰まった建物です」と明治の「商傑」とされた人物を挙げた。

その名は大倉喜八郎。渋沢栄一などと並ぶ明治の商傑とされる。土木建築などで事業を拡大し、大倉財閥として成功を収めた。帝国ホテル大成建設などの創業者だ。「その大倉が90歳を迎える記念に建造したのが祇園閣」(佐藤住職)だった。

設計を依頼されたのが建築家の伊東忠太だった。東京帝国大学(現・東京大学)の教授で、明治神宮や築地本願寺など代表的な建造物を設計した「東洋建築の泰斗」として知られる人物だ。

長年、大倉を研究してきた村上勝彦・東京経済大学名誉教授によると、大倉は建物の設計のイメージを伝えていた。幼少期の記憶に残っていた「風が強い時、雨傘が逆さまに反り返る。そのような建造物を作ってくれ」という内容だ。伊東は何度も設計図を描き直してみたが、実現するには難しく、祇園祭の山車の形にするように説得した。

この結果、建物は山鉾(やまぼこ)の形になり、高さは40メートルほど。屋上の銅柱には、大倉の幼名に由来する鶴が羽ばたくことになったという。

通常は非公開だが、内部を見せてもらうことにした。最上階に上ってみることができた。高さ規制がある京都ではひときわ高く、東には知恩院や清水寺、西には京都タワーや鴨川など京都市内を一望できた。

肝心の銅閣と呼ばれるようになった経緯だが、「大倉や伊東の発言からは確認されていない」(村上氏)とされる。だが、佐藤住職は「大倉が『金閣、銀閣に続く銅閣だ』としゃれも交えて言ったようだ」と話す。確かに建物を近くでみてみると、外壁は褐色で、扉や屋根には銅が使われており、「銅閣」と銘打ったとしてもうなずける。

大倉は祇園閣が完成する直前の1928年4月、享年90歳で亡くなった。その直前まで、執事におぶられて最上階に上り、京都の景色をみたという。

京都には「京の三閣」といわれるものがある。金閣、銀閣、そして西本願寺の飛雲閣を指す。ひょっとしたらいつか祇園閣も並び称されるかもしれないと感じた。そんなことを思いながら、京都の中心部を巡るのもいいかもしれない。

(赤間建哉)

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ日経会社情報デジタルトップ

ニュース(最新)  ※ニュースには当該企業と関連のない記事が含まれている場合があります。

194件中 1 - 25件

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6...
  • 次へ
【ご注意】
・株価および株価指標データはQUICK提供です。
・各項目の定義についてはこちらからご覧ください。

便利ツール

銘柄フォルダ

保有している株式、投資信託、現預金を5フォルダに分けて登録しておくことで、効率よく資産管理ができます。

スマートチャートプラス

個別銘柄のニュースや適時開示を株価チャートと併せて閲覧できます。ボリンジャーバンドなどテクニカル指標も充実。

日経平均採用銘柄一覧

日経平均株価、JPX日経インデックス400などの指数に採用されている銘柄の株価を業種ごとに一覧で確認できます。

スケジュール

上場企業の決算発表日程や株主総会の日程を事前に確認することができます。

株主優待検索

企業名や証券コード以外にも優待の種類やキーワードで検索できます。よく見られている優待情報も確認できます。

銘柄比較ツール

気になる銘柄を並べて株価の推移や株価指標(予想PER、PBR、予想配当利回りなど)を一覧で比較できます。

  • QUICK Money World