【大手総合商社】芙蓉グループの中核。重電、プラントに強みを発揮。
丸紅は25日、太陽光パネルに使われる強化ガラスのリサイクル技術を実用化するため、鳥取再資源化研究所(鳥取県北栄町)と業務提携した。ガラスを土壌改良材や水質浄化材として再生し、農家や鉱山開発現場など向けに数年内の販売開始をめざす。同ガラスは今後、国内で廃棄量が急増する見込みで、再生技術の事業化を急ぐ。
太陽光パネルの強化ガラスはパネル全体の重量の7割を占める部材。パネルに使われる有害な重金属が付着していることがあり、その除去が難しく、丸紅によると、ほとんどが産業廃棄物として管理処分場に埋め立て廃棄されるという。鳥取再資源化研究所が持つ技術を使えば、ガラス成分の中に有害物質を閉じ込めて安全に再利用することが可能になるという。
太陽光パネルの耐用年数は25~30年ほど。家庭用太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)の期間が11月から順次終了することも廃棄が増える原因になる可能性がある。パネルの国内廃棄量は現在は年約2000トンにとどまるが、10年後には10倍、20年後には200倍に増えるとの試算もあり、安全に処理するための技術開発が急務だった。