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AIがつくる公共交通 DeNAはタクシー、ドコモはバス

BP速報
2019/10/18 11:02
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CEATECに初出展したDeNAのブース(写真:日経 xTECH)

CEATECに初出展したDeNAのブース(写真:日経 xTECH)

日経クロステック

人工知能(AI)を活用したモビリティー(移動)の新たな取り組みが、幕張メッセ(千葉市)で18日まで開催中の国内最大級の家電・IT(情報技術)見本市「CEATEC(シーテック)2019」で紹介されている。CEATECに初出展となるディー・エヌ・エー(DeNA)の「働き方改革タクシー」と、NTTドコモが現在、横浜市内で実証実験をしている「AI運行バス」だ。

DeNAは2015年に自動車分野に参入。18年12月にはタクシー配車アプリ「MOV(モブ)」のサービスを開始し、人手不足や高齢化などの課題に直面するタクシー産業の改革にも乗り出している。MOVではタクシーメーターと連動した車載器システムによって、乗客の一番近くにいるタクシーを呼び出す。乗客の利便性や配車効率の向上を実現している。

■DeNA、「稼ぐドライバー」のノウハウ伝授

DeNAの「働き方改革タクシー」では、ドライバー数の減少への対策などを提案している。その一つがAIを活用する「お客様探索ナビ」だ。給与が歩合制の場合が多いタクシードライバーは、スキルによって年収が300万~1000万円以上など格差が大きいという。ドライバーとしてのノウハウを持ち合わせていない新人ドライバーほど収入が低い傾向があり、若手ドライバーが参入する阻害要因になっている。

例えば、「稼ぐドライバー」は「事故のリスクが高く、お客を拾えない右折はなるべく避けて左回りに走る」「赤信号ではお客を拾える先頭に止まるように速度を調節する」などのノウハウを持ち合わせているという。

「お客様探索ナビ」はAIの力で、こうしたノウハウを新人ドライバーに伝授する。具体的には、乗客の目的地までの最適なルートをそのときの天候や交通状況なども加味してAIが判断し、それをアプリに提示することで、新人でも安定した収入が得られるようになる。これまでMOVを通じて蓄積した走行に関するビッグデータを基にAIを開発した。

早ければ19年内にドライバーに向けてサービスを提供する。「ゆくゆくは、走行速度やレーンについての指示も出せるようにしたい」(説明員)としている。このほか、「働き方改革タクシー」ではAIを活用する交通事故削減支援サービス「DRIVE CHART(ドライブチャート)」もドライバー向けに提供する。事故の発生を予防し、安心して業務につける環境をつくり出すのが狙いという。

■ドコモ、決まった運行ルートや時刻表がないバス

一方、NTTドコモの「AI運行バス」は、「乗りたいときに乗れる。自由に移動できる」をうたい文句にする次世代交通サービス「MaaS(マース)」のど真ん中ともいえるサービスだ。10月10日から20日まで、横浜市内の観光地である臨海エリア(みなとみらい21、関内、元町・中華街)で実証実験をしている。横浜市や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などと共同の取り組みで、実証実験は18年に続いて2回目となる。

「AI運行バス」のアプリの画面。AIがその時の状況に合わせて最適なルートを決める。バスは乗り合い型である(写真:日経 xTECH)

「AI運行バス」のアプリの画面。AIがその時の状況に合わせて最適なルートを決める。バスは乗り合い型である(写真:日経 xTECH)

最大の特徴は、通常のバスと異なり、運行ルートが定まっておらず、時刻表もない点だ。乗り合い型で、膨大な乗車予約に対してAIが乗客の位置や人数などを加味して最適な配車、そしてルートを決める。

具体的には臨海エリア内で、ホテルや商業・観光施設など乗降ポイントが33カ所定められている。利用者はスマートフォンなどの専用アプリで乗車ポイントと降車ポイント、乗車人数を指定すると、AIが配車し、車両番号や乗車・降車予定時刻を通知する。使用する車両は、定員4~6人のタクシー車両15台と定員11人以上の大型車両1台。車椅子に乗ったまま乗車できる車両も複数台ある。

さらに専用アプリには同地域内の店舗や施設、イベント情報を検索してクーポンを配信する機能もある。アプリをダンロードすれば誰でも無料で利用できる。

AI運行バスの18年の実証実験は、同じ臨海エリアで実施され、合計で3万4000人が利用したという。

なお、NTTドコモは9月30日、鹿児島県肝付町でAI運行バスのシステムを利用した新交通手段「肝付町おでかけタクシー」の運行を開始している。対象ユーザーは住民で、事前に登録された自宅を含む、指定の乗降場所間での移動が可能という。車両はセダンタイプのタクシー車両を4台利用している。

(日経 xTECH 内田泰)

[日経 xTECH 2019年10月17日掲載]

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