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2019年12月9日(月)
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TOKYO、国際競争に勝つ街へ 2020年機に動く
第2回チャレンジニッポン 森ビル・辻慎吾社長ら講演

Tokyo2020
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2019/10/9 2:00
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講演する森ビルの辻慎吾社長(右)と日本取引所グループの清田瞭CEO

講演する森ビルの辻慎吾社長(右)と日本取引所グループの清田瞭CEO

日本経済新聞社は9月24日、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年に向け、都市の発展や国際間競争について議論する「第2回チャレンジニッポン」を東京・大手町の日経ホールで開いた。森ビルの辻慎吾社長と日本取引所グループの清田瞭最高経営責任者(CEO)が基調講演したほか、元サッカー日本女子代表の澤穂希さんの特別対談があり、パネル討論ではスポーツと街づくりについて意見が交わされた。

■街づくり計画、総合力に重点

森ビル社長 辻慎吾氏

森ビルの辻社長

森ビルの辻社長

世界の人々から選ばれるのはどんな都市なのか。森ビルは都市の総合力ランキングを出しました。都市というのは、居住だけを見ても、経済だけを見ても、文化だけを見てもわからない。総合力が重要ということでランキングをスタートしました。対象都市が44都市で、日本は東京と大阪と福岡を選んでいます。経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスというこの6つの分野で70指標をとっています。

18年のランキングは1位がロンドン、2位がニューヨーク、3位が東京、4位がパリ、5位がシンガポールです。分野別に見ると、経済がニューヨーク、ロンドン、東京、北京。研究・開発がニューヨーク、東京、ロンドンの順番です。文化・交流は東京はパリに次いで4位ということです。

先進国は住居費が高いものですから居住が9位と、あまりいい数字は出ないです。環境が29位、交通・アクセスが5位という結果になっています。

ロンドン、ニューヨークに対する東京の強み・弱みというのを、3都市で比較し、分析しました。世界トップ500企業の数や食事の魅力、この2都市に比べ住宅の家賃が低いこと、渋滞が少ないこと、通勤・通学の利便性、こういったところが勝っています。

ただ、弱みのほうが重要です。例えば国内総生産(GDP)の低成長の部分や、優秀な人材確保、スタートアップ環境、外国人居住者数、環境への取り組み、国際線直行便の数とか、こういったものが劣っています。

都市の磁力向上に向けては、この6つの分野で伸ばしていくことです。経済では、経済成長の施策、規制緩和とか法人税の見直しが挙げられます。研究・開発分野では起業ができる環境が東京は遅れています。

文化・交流では、観光立国の部分、まだまだやっていく必要がある。居住では、女性、高齢者の活躍できる社会の実現という項目が挙がっています。色々な分野で東京の力を高めていくことが重要で、非常に参考になる指標かと思います。

国際都市間競争に勝つ都市再開発事例ということで、虎ノ門・麻布台プロジェクトを紹介させていただきます。東京タワーと同じ高さの330メートルのメインタワーと住宅棟2棟という形で構成されます。この3棟に集約をして、低層部を全部緑にしたことが、大きな特徴になっています。就業者数で2万人、居住者3500人を予定しています。

都市の本質とは何かということを問うたプロジェクトです。コンセプトを「MODERN URBAN VILLAGE」と呼んでいます。「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街」ということで、街づくりを行っています。2019年8月に着工しました。23年3月にできあがる予定です。

こういった大きな核となる都市再生プロジェクトが幾つもでき、例えば渋谷、丸の内、港区といったエリアでできていくことによって、東京全体が強くなること。そして20年以降の未来に向け、都市力を付け、世界の都市間競争に勝つというのが重要だと考えます。

つじ・しんご 1960年広島県生まれ。85年横国大院修了、森ビル入社。東京都心の大規模都市再開発事業を数多く手掛けた。2006年取締役、11年6月から現職。

■金融都市構想、環境整備急げ

日本取引所グループCEO 清田瞭氏

日本取引所グループの清田CEO

日本取引所グループの清田CEO

安倍内閣の日本再興戦略の中で、アジアナンバーワンの金融資本市場の構築を目指すとして、世界の他の都市と比べて東京を選んでもらえるような競争力を強化することがアナウンスされました。

その後、金融庁と財務省からは、20年に国際金融センターとしての確立をということで、東京都から14年に東京国際金融センター構想、17年に「国際金融都市・取引」構想というものが発表されています。そのために魅力的なビジネス、生活面の環境整備ということが不可欠と思っています。

英国のシンクタンクが発表している国際金融センターのランキングで、東京は6位です。上にはニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポール、上海があります。

国内総生産(GDP)の規模でいきますと、日本は米国、中国に次いで世界第3位。金融資本市場という意味で考えると、少なくともGDPの規模に並ぶ程度の地位があってしかるべきだと思います。香港やシンガポールは若干、競争条件は違うものの、世界第2位のGDPの中国の上海に既に抜かれているのは、いろいろな面で取り組むべきテーマが多いということではないかと思います。

国際金融都市・東京の課題を、上場会社の課題、そして都市としての課題、この両面から見ていく必要があります。

上場会社の課題についてですが、東京は世界3位の市場時価総額を持っているにもかかわらず、代表的な銘柄をみると、一番大きいのがトヨタの23兆円、2番目がソフトバンクグループ、そしてNTTで、これが10兆円程度ということで、世界的に見ると比較的小粒なマーケットになっている。

米国はマイクロソフト、アップル、グーグルのアルファベット、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックなども含めて、ITの企業大手が続々とあります。

EU全体を見ても、トヨタを凌駕する企業がそこそこいる。上場会社の個別の企業価値をグローバルに見ると、日本はまだ競争力という面で、成長が足りていないのではないかという感じがします。

もう一つの都市としての課題ですが、投資家が東京に魅力を感じて進出してくれるような街づくりが必要です。国際人材にとって英語環境、つまり英語を使える病院や学校などがまだまだ足りていないということだと思います。外国人が安心して住めるような環境が不十分です。

税率でみますと、日本、フランス、ドイツ、米国はそれほど大きく変わりません。ところが、当面最も金融センターとして争っているロンドンを持つ英国、シンガポール、香港は10%台で、これでは競争にならないというぐらい金融センターとしての税制は重いといえるかと思います。

税が高く、規制が厳しく、言葉や教育の問題を東京は解決しなければいけない。これを実現するのは大変難しく、10年、20年単位で取り組んでいくテーマではないかと思います。

金融産業の強い国というのは、やはり世界でも主要国として残り続けていく。日本は活力を維持するために、金融産業を強くしていくということが大事ではないかと思います。

きよた・あきら 1945年福岡県生まれ。69年早大卒、大和証券(現大和証券グループ本社)入社。大和証券グループ本社会長、東京証券取引所社長などを経て2015年6月から現職。
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