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2019年12月12日(木)
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東証1部

【地銀中堅】個人ローンが9割。不適切融資問題から再建急ぐ。

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収益は月2000万 すご腕サラリーマン大家の投資戦略

2019/9/3 4:30
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日経ビジネス電子版

日銀の異次元緩和であふれた投資マネーはあらゆる金融商品の価格を押し上げている。端的なのが不動産市場だ。東京などの大都市やリゾート地では物件の利回りが低下(価格は上昇)。調達金利の低さもあいまって、大規模オフィスビルの期待利回りは3%台まで低下している。

リーマンショックから10年余り。日本では再び不動産が過熱している

リーマンショックから10年余り。日本では再び不動産が過熱している

不動産マネーの中にはファンドや企業、富裕層だけでなく、会社員など個人の資金も含まれる。「老後資金2000万円」問題が象徴しているように、老後のための資産形成は待ったなし。その中で、安定的な収入を見込める商品として不動産に目をつける人は少なくない。過去数年、地銀が会社員の不動産投資に積極的だったこともあり、1棟ものの投資用マンションに投資するなど、不動産投資にアクセルを踏む会社員が増加した。

もちろん、風向きは変わっている。シェアハウスのサブリース事業が破綻、オーナーへの賃料が未払いになった「かぼちゃの馬車」事件とスルガ銀行による不正融資が明るみに出たことで、会社員向けの過度な信用供与が問題視された。金融庁の指導によって地銀や信金信組の融資姿勢も転換している。

それでも、どこ吹く風とばかりに買い進める人々は少なくない。今回は、そんなすご腕のサラリーマン投資家の投資手法を見ていく。まずは、現役銀行員の河津桜生氏(仮名)だ。

若者に抜群の人気を誇る東京・三軒茶屋。8月中旬のある日、茶沢通り沿いのカフェに行くと、約束の男性は既に店の前で待っていた。河津桜生氏。大手金融機関の融資担当という顔を持つサラリーマン大家だ。このカフェは、河津氏がつい最近までオーナーだったという。

■1億円で購入した雑居ビルを3億円で転売

河津氏の投資実績はサラリーマン投資家の域を超えている。保有する物件から上がる賃料はおよそ月2000万円。銀行への返済や様々な経費を差し引いた利益は500万~600万円に上る。バイ&ホールドで賃料収入を得るのが基本戦略だが、買い手がつけば取得後に転売することもある。

「この間、1億円で購入した渋谷の雑居ビルを3億円で売却した。改修して賃貸に回そうと思っていたのだが、どうしてもほしいと言う人がいて。物件ファイルのナンバーは『086』まできているけど、今も持っている物件は50~60だと思う」

金融機関の現役融資担当という顔を持つ河津氏

金融機関の現役融資担当という顔を持つ河津氏

河津氏が不動産投資を始めたのはリーマン・ショックが起きて間もない2009年。不動産会社の倒産が相次ぎ、不動産価格がつるべ落としに落ちていたときのことだ。このとき、土地の値段よりも価格が低いアパートが売りに出ていることを知り、またとない好機と購入に踏み切った。

そんな彼が物件投資のアクセルを踏み始めたのは金融環境が落ち着き始めた2011年以降。当時は東日本大震災の影響もあり、不動産は割安な状態だったが、金融機関はリーマン・ショックの混乱から脱しつつあり、地銀を中心に投資用不動産に資金をつける銀行も出始めた頃だった。

そして、2013年に異次元緩和が始まり、低金利が常態化すると、貸出先を求める銀行はサラリーマン大家向けに融資の蛇口を開き始める。そこから河津氏は一気に物件取得を進めていった。

現在、河津氏が注力しているのは飲食店が既に営業している物件だ。居住用物件は流動性が高く、底堅いため区分マンションなどは投資妙味が低下しているが、店舗物件は相対的に利回りが高い。それは居住用と比べてテナント誘致に時間がかかることが多いからだが、立地さえよければ、テナントが抜けても借り手はつくという判断だ。

実際、河津氏のポートフォリオをのぞくと、パン屋や喫茶店、美容室などが入居している物件が並ぶ。「この間、テナントの喫茶店がボヤを出して大変だった。思いもよらないことも起きるが、不動産投資にトラブルはつきもの。面倒だと思う人は向いていない」(河津氏)

外国人向けの賃貸物件にも着目している。その理由は自身の成功体験だ。

■外国人向け賃貸も狙い目

河津氏は2016年に東京・池袋のワンルームマンション1棟を取得した。トイレ、風呂、洗面台が一緒になった3点ユニットのワンルームで、中国人の賃借人が月6万円で入居していた。

当時の家賃は相場に準じた金額だったが、契約更新の際に思い切って賃料を7万5000円に上げた。管理会社は高すぎると難色を示したが、入居者は特に不満も言わず賃料改定に応じたという。

「彼らは親戚や知人などと共同生活を送っている。家賃をシェアしていると考えれば、賃料負担はそれほどでもない」

過去5年ほどサラリーマン投資家には天国とも言える状況が続いたが、金融庁の指導もあり、金融機関は個人の不動産投資に対する融資を絞り気味だ。法定耐用年数を超えた物件への融資も出づらくなっており、長期の借り入れはハードルが上がっている。

だが、河津氏は意に介さない。逆に、これから買い場が訪れると考えている。「個人の買いが細れば今の状況は沈静化する。買い手の減少で物件の流動性が下がれば売り手も価格を下げざるを得ない。そのときに、改めて掘り出し物を探せばいい」

(日経ビジネス 篠原匡)

[日経ビジネス電子版 2019年9月2日の記事を再構成]

 日経ビジネス2019年9月2日号の特集「不動産 まだ上がるか」では、活況に沸く不動産市場の実情をリポートした。東京と家賃が変わらない離島、中国人が買い占める老舗商店街、暴力団が立ち退いた元遊郭跡地――など、離島のリゾート地から大都市の過小評価されていた地域まで様々なところにマネーが流れ込む現状や今後の動向をまとめている。
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