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『量より質』の象徴へ 日産「スカイライン」刷新

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2019/7/16 13:30
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新型「スカイライン」を発表する日産自動車の中畔副社長(左)と星野副社長(16日午前、横浜市西区)

新型「スカイライン」を発表する日産自動車の中畔副社長(左)と星野副社長(16日午前、横浜市西区)

日産自動車は16日、9月に高級セダン「スカイライン」を大幅に改良して発売すると発表した。元会長カルロス・ゴーン被告の逮捕後、量販帯の乗用車では初の刷新だ。初代から62年の歴史を持つ看板車に、ナビゲーションと連動する自動運転など先進技術を詰め込んだ。新生・日産が掲げる「量より質」を重視する経営を象徴する製品に育てられるかが問われる。

同日、横浜本社で新車を公開した。国内事業を統括する星野朝子副社長は「日産を象徴する車に自動運転などあらゆる技術を詰め込んだ。技術のショーケースと言える車だ」と期待感を示した。

新車には日本初となる技術を搭載した。運転支援では高精度の3次元地図と連動して、高速道路で車線変更や出口・分岐への対応をほぼ自動で行う。入力した目的地への順路に沿い、適切なタイミングで車側から提案され、運転手が簡単なボタン操作で承認すれば速度の調整まで含めて自動での操縦に移る。

インターネット接続により車内の娯楽性やスマートフォンとの連動性も上げた。国内の日産車では初めて車内Wi-Fiを搭載し、自動でナビゲーションの地図を更新する。高齢ドライバーの増加を受け、事前に専用アプリケーションで決めた速度や移動範囲をこえた場合にスマホなどへ通知する機能も搭載した。

新たなスカイラインは「量から質」への転換を図る新生・日産の経営方針に沿った車だ。「自動運転」、「電動化」、「コネクト」の3本柱で車の付加価値を高め、過度の値引き販売で「バーゲン車」のイメージが定着した日産ブランドの再生を図る。

現在、日産車は発売からの期間(車齢)が北米や日本で平均5年を超す。通常では3~4年で次のモデルに刷新され、「車齢の長さが販売不振を招いている」(西川社長)。22年までに北米などの車齢を平均で4年未満に下げる。刷新に合わせて新技術を盛り込み、商品価値で売りきれる車への転換を図る。

価格はナビ連動型の自動運転ができるハイブリッド(HV)モデルが547万円から。同グレードの現行車より50万円ほど高い。販売目標は現状の水準である月200台を超す水準を目指す。

すでに18年には中国の主力セダン「シルフィ」に初の電気自動車(EV)モデルを設け、北米では主力車「アルティマ」にセダン初の運転支援システムを搭載した。高級車のスカイラインには最先端の技術を盛り込み、普及帯の車の進化の方向性を示した。

ただ、セダンを取り巻く環境は厳しい。消費者のみならず、競合企業でも「セダン離れ」が鮮明だ。車の燃費向上で用途が多く、室内も広い多目的スポーツ車(SUV)に人気が集まる。

コンサルティング大手KPMGは、30年に米国のセダン市場は今の半分以下になると予測する。18年には米フォード・モーターが北米のセダン市場から撤退を決めた。

日産の販売は北米では4割、世界でも約3割はセダンがしめる。セダンを値下げと拡販で量をさばく車から、付加価値を武器に割高でも顧客から選ばれる車へ変革できねば、日産といえど生き残りはおぼつかない。先進技術など付加価値を最優先したスカイラインへの消費者の反応は、今後の商品戦略にも大きな影響を与えそうだ。

(山本夏樹)

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