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2019年11月18日(月)
4008 : 化学・化成品
東証1部

【住友化学系】高吸水性樹脂が主力。半導体用ガス事業にも力。

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おむつ原料首位の日本触媒、三洋化成と経営統合

2019/5/29 18:43
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紙おむつ原料大手の日本触媒三洋化成工業は29日、2020年10月をメドに経営統合すると発表した。両社はおむつ用の吸水性素材でそれぞれ世界首位と同5位で、統合によりシェアを3割まで引き上げる。アジアの競合の相次ぐ増産で需給が緩み、事業環境は悪化している。今後も世界で存在感を維持し続けるには規模の拡大が避けられないと判断した。

日本触媒と三洋化成工業は紙おむつに使われる吸水ポリマー(右)の大手。水を加えると、膨張しながら吸水する

日本触媒と三洋化成工業は紙おむつに使われる吸水ポリマー(右)の大手。水を加えると、膨張しながら吸水する

経営統合に向けて検討することで基本合意した。年内の最終契約を目指す。20年10月にも両社を完全子会社とする統合の持ち株会社を設立する。新会社の社長には日本触媒の五嶋祐治朗社長が就き、代表権を持つ会長には三洋化成の安藤孝夫社長が就く。統合で人員削減はしないという。

日本触媒は尿などを効率的に吸い取る「高吸水性ポリマー(SAP)」や原料のアクリル酸を自社生産し、同業他社に比べ競争力が高い。12年9月には兵庫県姫路市の工場で爆発事故を起こし、一時的に世界規模で供給不足に陥った。連結売上高は約3500億円。

三洋化成が得意とするのはニッチな素材だ。3000種類以上持つ商品は一つ一つの需要は小さいものの、他社が手掛けず高収益の商品が多い。同社の連結売上高は約1600億円。

国内の上場化学企業は200社を超える。各社は高い技術力を生かし、自動車や家電向けなどで高機能材を供給してきた。一方、ニッチ市場を分け合って割拠してきた結果、再編が遅れて規模が小さいままになった。

同日に大阪市内で開いた記者会見で日本触媒の五嶋社長は、統合の狙いを「両社の技術やコストで相乗効果を生み、コスト削減でグローバル競争に対応する」と説明した。各国の独禁当局とは今後協議する。

両社のSAPの生産能力は単純合算で年110万トンとなる。日本触媒の生産能力は18年時点で約2割と世界首位。同社の成長の柱と位置づけ、能力増強や生産性改善に資金や人員を投じている。18年にはベルギーでSAPや原料のアクリル酸の生産設備を増強しており、さらにSAPのシェアを高めているもよう。

日本触媒によると、18年の世界でのSAP需要は年300万トン。各国の経済成長に伴いおむつの利用が増え、年5~7%の成長が続いているという。ただ国内の住友精化や中国、韓国メーカーも相次ぎ能力増強や新規参入に動いている。例えば、住友精化は昨年11月に韓国で第2工場を立ち上げた。

需要の伸びを上回る増産の結果、需給は緩み、事業環境が悪化。日本触媒のSAPを含む機能性化学品事業の売上高営業利益率は19年3月期に約7.6%と、15年3月期から1ポイント近く低下した。

三洋化成も同じ状況だ。19年3月期にはマレーシアで立ち上げたSAP新工場の稼働率が低迷し、約88億円の減損を計上した。「SAP原料を外部から調達しており価格競争力がない。投資額が大きくなっており、日本触媒の生産ノウハウを活用し収益を高める」(三洋化成の安藤社長)必要があった。

日本触媒は経営統合によりSAPの事業基盤が弱かった中国市場の強化を目指す。「三洋化成が加わるとシェアは3分の1まで上がり、トップ企業として競争力が高まる」(五嶋社長)と語る。

統合後の具体的な方策は今後詰めるが、三洋化成がSAP原料の調達を日本触媒に集約してコストを減らすといったことを検討するとみられる。また日本触媒の販売ネットワークをいかした三洋化成製品の販売拡大もありそうだ。

また両社の技術力や人員を組み合わせることで、新素材の開発を強化していく。例えば三洋化成は電極を含めほぼ全てを樹脂で形成する「全樹脂電池」を開発し、量産化に向けた準備を進めている。安藤社長は「10年や20年かかる開発が日本触媒の技術や人材を取り入れ短縮できる」という。

もっとも世界の競合他社はいまも能力増強を続けている。SAP市場で勝ち残るには統合メリットを素早く引き出すためのスピードが求められる。

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