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大学改革シンポ特集「企業人の経験をいかす」

大学
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2019/2/21 6:00
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対談する池上氏(左)と出口氏(東京・大手町)

対談する池上氏(左)と出口氏(東京・大手町)

日本経済新聞社は1月11日、大学改革シンポジウム「企業人の経験をいかす」を東京・大手町の日経ホールで開催した。将来を切り開く人材を育てるために大学はどうあるべきか、出口治明・立命館アジア太平洋大(APU)学長とジャーナリストの池上彰・東京工業大特命教授が対談した。続くパネル討論は池上氏が司会し、民間を経て大学運営に携わる出口氏ら3人が大学改革について意見を交わした。(文中敬称略)

対談「役に立つ大学とは何か」

第1部では、ライフネット生命保険創業者で、APUの出口学長と、ジャーナリストの池上氏が「役に立つ大学とは何か」をテーマに対談した。主なやりとりは次の通り。

池上 APU学長になったきっかけは。

出口治明(でぐち・はるあき)立命館アジア太平洋大(APU)学長
 1972年(昭47年)京都大卒業、日本生命保険入社。2008年ライフネット生命保険を開業し社長。18年、国際公募で選ばれ、立命館アジア太平洋大(APU)学長。日本経済新聞朝刊に「ダイバーシティ進化論」を連載中。70歳。

出口治明(でぐち・はるあき)立命館アジア太平洋大(APU)学長
1972年(昭47年)京都大卒業、日本生命保険入社。2008年ライフネット生命保険を開業し社長。18年、国際公募で選ばれ、立命館アジア太平洋大(APU)学長。日本経済新聞朝刊に「ダイバーシティ進化論」を連載中。70歳。

出口 還暦でライフネット生命保険を開業し、社長、会長を10年やり、古希を迎えたのを機に第一線を退いた。2017年9月に学長の国際公募に推挙された。学生数が数千人の規模の大学で学長を国際公募するのは国内初というのが面白く、18年1月に就任した。自分でも選ばれて驚いている。

池上 かつてAPUを取材し、アジアや中東から優秀な若者が大勢来ていることがわかった。特にアジアでAPUブランドが浸透している印象がある。

出口 APUの全学生約6千人のうち、半分が外国人留学生で、世界の89の国・地域から来ている。いわば「小さい地球」といえる。教育も半分は外国人の教員が担当し、英語と日本語の両方で教育している。

特長は多文化環境と卒業生の強さにある。外国人留学生の1回生は全員が学生寮に入り、シェアタイプの部屋には日本人と外国人留学生が必ずペアで入る。35ある同窓会のうち、国内は9で、海外には26ある。1万7千人を超える卒業生の海外ネットワークの強さは他の大学に負けない。

池上 APU学長からみて、大学は役に立つ必要があるか。

出口 「役に立つ」とはいろいろな意味がある。大学で学んだ学生が将来の日本を背負うという意味では、大学は日本の競争力の先行指標といえる。

購買力平価(PPP)ベースでみると、日本の国内総生産(GDP)が世界に占めるシェアは1989年に9%弱で、現在では4.3%程度。国際競争力もトップから25位に低下した。時価総額でみると、世界のトップ企業30位に日本企業は入っていない。

背景はいろいろあるだろう。日本の大学は、米国のようにGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)といった先端企業やユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)を起業する人材を輩出できなかった。

池上彰(いけがみ・あきら)ジャーナリスト、東京工業大特命教授
 慶応義塾大卒業。1973年(昭48年)NHK入局。2005年独立。12年東京工業大教授、16年から特命教授。講義や学生との活動を基にコラム「池上彰の大岡山通信 若者たちへ」を日本経済新聞朝刊と日経電子版に連載中。68歳。

池上彰(いけがみ・あきら)ジャーナリスト、東京工業大特命教授
 慶応義塾大卒業。1973年(昭48年)NHK入局。2005年独立。12年東京工業大教授、16年から特命教授。講義や学生との活動を基にコラム「池上彰の大岡山通信 若者たちへ」を日本経済新聞朝刊と日経電子版に連載中。68歳。

池上 アップル、マイクロソフトの創業者などは大学中退者が多い。大学が社会を変革する企業を生み出すとはいえないのでは。

出口 面白いデータがある。世界の製造業で働いている労働者のうち、大卒が4~5割。製造業の社員はコツコツと勉強し、先生の言うことを素直に聞いてきた人々が多い。

ところが、世界を変えるGAFAやユニコーンの社員はほぼ全員が大卒以上で、かつ先生の言うことを聞かないとがった人が創業している。多国籍の人が集まることで新しい産業が生まれる。大学はとがった人を生み出す役割が求められている。

日本のGDPの中で製造業の占める割合はおよそ2割、従業員数は2割以下。これでは日本経済を引っ張ることはできない。大学がとがった人をどう育てていくかが重要だ。

池上 官僚のような人材を育てる日本の大学教育が問題なのか。

出口 先生に言われるがまま、コツコツと勉強する偏差値を重視する教育がなくなればよいわけでなく、偏差値重視と個性重視の大学教育が両立すればよい。国公立と私立、理系と文系といった従来の区分けを変えなければならない。

池上 社会ですぐに役立つ人材ばかりを育てることが、大学教育ではないのは分かるが、どうすればよいだろうか。

出口 従来の価値観で学生を判断せずに、少数派を大事にすることが重要だ。APUでは、米国大学の手法を取り入れて、学生をどんどん議論に巻き込んでやる気を起こさせる「アクティブラーニング」を重視している。もちろん、教える教員側の意識も変わっていく必要がある。

池上 AIなどIT(情報技術)が急速に進歩する中で、大学の役割はどう変わっていくのだろうか。

出口 AIは今後、どう変わっていくのか分からないし、最新の技術や情報もすぐに陳腐化する。物事を原点に戻って考える必要がある。社会人が学び直す「リカレント教育」も重要になってくる。ITやAIの進化が激しい分、社会人が企業と社会を行ったり来たりするのが当然の社会に進化すべきだ。

池上 AIが拡大する時代に大学で何を学べばよいだろうか。

出口 変化の激しい時代こそ、「リベラルアーツ」ではないか。人間が長い間やってきたことにこそ意味がある。ITの進歩で現代は理系重視の風潮があるが、実は文科系の倫理学や哲学が求められているケースがある。受け継がれてきたものはいいところがある。それをどう判断していくかが、AI時代に大学に与えられた役割だ。

池上 確かに、ギリシャ時代から培われたリベラルアーツは長い歴史の風雪や荒波に耐えてきた価値がある。私たちが歴史から学ぶ価値もそこにある。すぐに役に立つものは、すぐに役に立たないことを現代的にどう判断していくかが、日本の大学に求められている。

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