【綿紡老舗】紡績大手。ブレーキ、化学品など非繊維部門拡大。
日清紡ホールディングスは31日、村上雅洋副社長(60)が社長に昇格する人事を発表した。河田正也社長(66)は代表権のある会長に就く。3月下旬の株主総会を経て就任する。「柔軟さと頑固さのバランスを持つ」(河田氏)という村上氏のもと、欧州のブレーキ事業の立て直しやモビリティー分野の事業拡大に挑む。
同日、都内で記者会見した村上氏は「つくった物の価値をどうサービスにして提供していくかを考えていきたい」と意気込みを示した。モノだけを売るのではなく、センサーなどで取得するデータも活用して顧客に継続的に価値を届けるビジネスを増やしていく。
併せて18年12月期の業績予想の下方修正も発表した。連結最終損益は72億円の赤字で、従来予想から赤字幅が17億円拡大した。欧州の自動車販売が減速し、新車用のブレーキ部材が振るわなかった。現地子会社の特別損失も発生した。
むらかみ・まさひろ 82年(昭57年)滋賀大経卒、日清紡績(現日清紡ホールディングス)入社。10年取締役、18年副社長。大阪府出身。