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リコー、2次電池をインクジェットで製造

日経産業新聞
2019/1/29 10:50
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リコーはインクジェット技術でリチウムイオン2次電池を製造する技術を開発した。電池の主要な部材をインク化して、プリンターを用いてデジタル印刷できる。従来の技術と比べて細かいデザインが可能になる。あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」やウエアラブル端末向けなど多様化する需要に対応する。2021年度の量産化をめざす。

2次電池は正極・負極とセパレーター、電解液などで構成される。リコーの新技術は、このうち正極・負極とセパレーターをインク化し、デジタルデータをもとに印刷する。従来技術ではインクを噴出する部分が詰まる恐れがあった。リコーは材料を見直し、粘度を数百分の1に抑えた。

19年度から実用化に向けテストマーケティングに取り組む。20年度から試験的に生産し、21年度の量産化をめざす。電池メーカーなど顧客企業と連携し、具体的な活用方法を探る方針だ。量産を始めてから2年後をめどに売上高で数百億円をめざす。

新技術は少量多品種の小型電池を作れるのが特徴だ。電池製造の従来技術は一種類の電池を作るのに数百億円の設備投資が必要になる。一方、リコーのインクジェットプリンターならインクとデータを変えれば全く異なるデザインや仕様の電池を製造できる。リコーは新技術を特許申請している。

リコーは新技術をIoTの端末やウエアラブルデバイスに活用したい考えだ。例えばメガネ型の装置など小型ウエアラブルデバイスの空いたスペースに電池を印刷できる。電機メーカーなどは電池の形や大きさに縛られずに自由に端末をデザインできるようになる。

リコーは主力事業の複合機が市場縮小に直面しており、成長の芽を模索している。インクジェットなどの産業印刷は成長分野の一つと位置づけており、19年度末までに1000億円を投資する方針だ。印刷物が新たな付加価値を生む「機能する印刷」として技術を進化させる。

電池業界は競争が激しく、新技術がどこまで普及するかは未知なところもある。電気自動車(EV)は電池の需要を押し上げるが、特定の種類の製品を量産するためリコーの技術は向いていない。一方、小型電池では次世代電池の本命とされる「全固体電池」の開発を各社とも加速させている。強みを発揮できる市場を掘り起こし新たな成長の柱とする。(清水孝輔)

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