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デジタルで進化する個人投資家 プロ顔負け機能を駆使

2018/7/17 5:30
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個人投資家の「デジタル武装」が進んでいる。ネット証券会社などが提供する取引ツールが進化し、証券会社や機関投資家などプロ顔負けの機能を駆使するつわものも登場してきた。対峙するのは高速で取引を繰り返すアルゴリズム取引業者や百戦錬磨のヘッジファンドといった海外の投資家だ。

40代男性投資家が取引するオフィス(都内)

40代男性投資家が取引するオフィス(都内)

東京・港区。静かなオフィス街にある建物の一室に入ると大きなモニターがずらりと並ぶ。壁にかけたディスプレーからは株情報番組のインターネットライブ配信が常時流れる。数人の友人と部屋を借りて取引を手がける40代男性の投資家は、モニターを眺めながら「値動きが近いチャートを自動で抽出して次の銘柄を物色している」と話す。

この投資家が使っているシステムは、日本で上場する全約3700銘柄のうち株価の動きが近い銘柄を瞬時に表示できる。AI開発を手がけるアルパカ・ジャパンとカブドットコム証券が共同で開発した。画像認識技術を活用し、例えば、ゲーム会社と銀行といった普段の取引では気付かないような異業種企業の共通テーマを見つけられる。市場が注目するテーマをいち早く発掘して投資に役立てる。

AIが後押し

こうした技術は海外のヘッジファンドなどが短期の売買で使ってきたが、ここ数年で様々なAIサービスの開発や普及が進み、個人投資家でも手が届くようになった。

技術力や資金力で勝る機関投資家に、個人が真っ向勝負を挑むのは難しかった。しかし、パソコン上で自動売買を繰り返すシステムが登場し、株価や出来高に応じて株式売買注文のタイミングや数量を決めて注文を繰り返す「アルゴリズム取引」のような高度な手法ですら機関投資家の専売特許ではなくなった。

アルゴリズム取引では、あらかじめ「○○株が△△円になったら××株売る」「○○株の株価が25日移動平均線を△%上回ったら××株買う」といった売買条件を設定すると、自動的に条件に従って取引を実行する。相場が急変するなど状況によっては自動取引を中止し、人間の判断による取引に切り替えられる。

こうした仕組みを提供するオートマチックトレード(大阪市)の松村博史社長によると「投資で生活するプロの個人投資家だけでなく、平日の昼間は働いているサラリーマンにも利用が広がっている」という。

株式投資で得られる利益は投資家が設定したアルゴリズム(情報処理の手順)によって異なるため、より大きな利益をもたらす条件を投資家同士で情報交換するコミュニティーもある。

親指操作が売り物

楽天証券は今秋、大口の注文を自動的に小分けにして発注する「アイスバーグ注文」を導入する。これも機関投資家が得意としてきた取引手法で、自分の発注が市場に影響を与えないように取引できるのが特長だ。個人だと手作業で別々に注文を出す必要があったが、その間に市場が変動するおそれがあった。

モニターに囲まれ、日々株価情報と向き合う個人投資家像も変わりつつある。

SBI証券はスマートフォン(スマホ)での取引環境の充実に力を入れる。端末の処理能力が上がり、基本的な取引機能はパソコンと大きな差はないという。個別銘柄の価格別の売買状況がわかる画面から、価格をタップして売買できるなど、スマホならではの親指操作が売り物だ。

同社の株取引の3割がスマホ経由という。坂本英文商品開発部長は「職場以外でパソコンを開く場面が少なくなってきた。生活習慣に合わせてスマホ向けの開発に力を入れている」と話す。

もっとも、最新のデジタルサービスを利用するには相場やIT(情報技術)についてある程度の知識が必要だ。「条件を設定しておくと自動的に執行するような仕組みが多く、気が付くと損失が生じていることもあり得る」(ネット証券幹部)という。初心者が新たなサービスを利用する際は細心の注意が必要だ。

(嶋田有、須賀恭平)

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