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NTT、最大3兆円現金化 割賦債権・不動産・発電所など 成長投資・株主還元に活用

2020/4/22付
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NTTはグループ全体で保有資産の圧縮に乗り出す。携帯電話の割賦債権や不動産、データセンターの設備など、最大3兆円規模の資産を証券化や売却の対象にする。生み出した現金は成長のための投資や株主還元に活用する方針。NTTによる国内最大規模となる「持たざる経営」へのシフトで、資産効率を高めようとする日本企業の動きが広がる可能性もある。

NTTドコモやNTT都市開発などグループの900社超で保有する連結総資産は2019年3月期末時点で約22兆円。その後の投資分を含めた最大3兆円の資産を証券化や売却で現金にする。

ドコモは最大で1兆円の資産を現金化する。昨年末時点で7400億円の残高があるクレジットカード「dカード」の債権の一部を流動化。3月に試験的に500億円を実施した。今後は残高7400億円の携帯電話端末の割賦販売に伴う債権の流動化にも着手する。

オフィスビルなど1兆円規模の不動産、再生可能エネルギー関連など6千億円の設備、数千億円のデータセンター設備を現金化の対象にする。

資産の有効活用ではソフトバンクが07年に携帯端末の割賦債権の流動化に着手。近年は5千億円程度を調達している。NTTはこれを超える規模だ。買い手は機関投資家や事業会社、不動産投資信託(REIT)などのファンドも想定する。

NTTは資産効率を示す指標である投下資本利益率(ROIC)を19年3月期の7%から、24年3月期に8%に高める計画だ。捻出した資金を投資に使えば、外部から調達するより効率がよい。

日本企業の資産圧縮は運転資金の確保が目的のものが多かったが、NTTのように財務効率を高める目的で圧縮する企業も増えている。味の素は今後6年で不採算事業を中心に総額2000億円分の資産を圧縮し、ROICの改善につなげる。捻出した現金を成長分野の商品開発に投じる。

日本企業のROICは19年3月期で6.8%と10%前後の欧米勢に見劣りし、株主からの改善圧力が強い。多くの企業では新型コロナウイルスの影響で事業活動が停滞しており、資産の現金化の動きは広がりそうだ。

 ▼投下資本利益率(ROIC) 株主が出資した資本や銀行などから借り入れた負債を使い、どれだけ効率的に利益を稼いだかを示す指標。1年間に稼いだ利益を資本と負債の合計額で割って算出する。分子の利益には「税引き後営業利益」を使うことが多い。
 利益を資本で割って算出する自己資本利益率(ROE)は、借金を増やしても自社株買いなどに充てて自己資本を減らせば値が高まる。
 こうしたレバレッジ効果の影響を除いたのがROICで、より稼ぐ力に焦点をあてた指標とされる。
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