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メルカリ上場1年、多角化失敗の教訓
本業のフリマに回帰 新事業、自前から提携へ

2019/6/20付
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山田会長は日米フリマ・スマホ決済に集中する姿勢を示す

山田会長は日米フリマ・スマホ決済に集中する姿勢を示す

メルカリが本業のフリマ事業への回帰を進めている。米アマゾン・ドット・コムのようなプラットフォーマーを目指して立ち上げた新事業から相次ぎ撤退。フリマを巡るライバルの包囲網も狭まる中、多角化の失敗で得た教訓を生かしながら、土台のフリマと金融に投資を絞る戦略に転じる。19日で上場から1年。収益分配より成長投資を優先する姿勢はいつまで市場の理解を得られるか。

「投資を続けて事業を進める(に値する)かというとそうではなかった」。上場1年を機に取材に応じた山田進太郎会長兼最高経営責任者(CEO)は、新事業からの撤退の背景をこう述べた。

メルカリがこの1年で撤退したのは、自転車シェアリングの「メルチャリ」、旅行のブログなどをシェアする「メルトリップ」、個人のスキルシェア「teacha(ティーチャ)」などだ。

メルチャリの場合、2018年2月に福岡市でサービスを始めたが、劣勢は明らかだった。最大手のNTTドコモが1万台規模の自転車を全国規模で展開する中、メルチャリは約1千台で展開地域は福岡と東京など。メルトリップも想定通りの利用がなく、ベータ版でサービスを打ち切った。

メルカリの年間売上高は500億円規模でドコモと比較にならない。あえて競争の激しい分野に参入した背景について山田氏は「スマートフォン決済の『メルペイ』事業を進める中、自転車シェアはショーケースになりえた」と話す。同事業から得る個人の信用情報を金融事業の一部に応用できるとの期待もあったが、幕引きは早かった。

戦略転換の背景には環境の変化がある。メルカリの19年1~3月期の国内流通額は前年同期比42%増の1330億円と好調だが、この1年の間に中古品リユースのトレジャー・ファクトリーがアマゾンジャパン(東京・目黒)と中古品買い取りで協力するなど、競合の動きが激しくなった。

経済産業省によると、18年のフリマアプリの市場規模は前年比32%増の6392億円と、高い成長が続く。ヤフーが個人間取引のネットオークション事業で「フリマモード」を追加し、楽天もフリマアプリ「ラクマ」で専門家が検品した中古スマホを取り扱うなど品ぞろえを拡充する。安易な多角化が続くと強みの土台を揺るがしかねない。

山田氏は「2020年6月期は日米フリマとスマートフォン決済の3本柱に集中する」と話す。そのうえで単独で新規事業を手掛けて幕引きを迫られた教訓を生かし、新規事業は「むやみに広げずに、パートナーとの提携を模索する」と話す。

成長ドライブと期待するメルペイ事業では、ドコモの非接触決済サービス「iD」に対応したり、競合のLINEと加盟店の開拓で提携したりなど協力関係にある。

メルペイ(東京・港)の青柳直樹社長は「メルカリ内にとどまっていた年間5千億円超の売上金を全国135万カ所の加盟店で利用できるようにすれば、(フリマアプリの)利用者の利便性が格段に向上する」と話す。

4月には利用者の信用度を分析し、購入代金をメルペイが立て替える「あと払い」サービスに参入した。中古品の2次流通データで先行するメルカリが、フリマアプリで信用情報と店舗の購買データを取り込めば、より詳しい消費行動を把握でき、新たなデータビジネスに育つ可能性がある。

ただ、スマホ決済は楽天やソフトバンク・ヤフー系のペイペイなど資本力で勝る大手との競争が激しい。UBS証券の武田純人アナリストは「決済はレッドオーシャンになっている。メルカリ経済圏を作る上で、意味のある投資ができるかがカギになる」と話す。

先行投資を優先するメルカリの18年7月~19年3月期の連結最終赤字は73億円(前年同期は34億円)だ。上場時の初値の5千円を割り、最近は3千円台で足踏みする。

フェイスブックが仮想通貨参入を発表するなど世界のIT大手は先を行く。青柳氏は「様々な可能性を検討したい」と提携に含みを持たせる。

山田氏は「新たな価値を生む世界的なマーケットを作る目標は上場前後で変わらないが、世界という意味で道半ば。成長のための投資を続けたい」と話す。ただ、株主への収益還元が期待される上場企業になった今、赤字をいつまで市場が我慢できるか。この1年は正念場になりそうだ。

(吉田楓、斎藤正弘)

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