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2019年8月20日(火)
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中国5県の地銀 本業のもうけ7行で悪化、与信費用も重荷に

2019/5/21 8:00
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中国5県の地方銀行の2019年3月期決算が出そろい、本業のもうけを示すコア業務純益(単体ベース)は7行で悪化した。マイナス金利政策の影響で貸出金利回りが低下したことが響いた。融資先の収益悪化に備えて計上する貸倒引当金など与信費用の増加が重荷となった例も目立った。

広島銀行の部谷俊雄頭取は「非金利収入の拡大を進める」と話した(13日、広島市)

コア業務純益で増益を確保したのは広島銀行と西京銀行の2行。広島銀では資金利益の伸びは横ばいだったが、経費削減が奏功し4年ぶりの増益となった。

各行で目立ったのは与信費用の増加だ。9行の与信費用の合計は前の期と比べ7倍に膨らんだ。広島銀では融資先の業績悪化を踏まえた不良債権処理費用が前の期比14倍の31億円となった。

山口銀行の与信費用は51億円と前年の7倍に膨らんだ。西京銀行では、アパートの施工・管理を手がけるTATERU(タテル)による審査書類の改ざんが発覚し、タテルが管理する物件を含むアパートローン全般を対象に貸倒引当金を積み増した。

一方で、担保や保証に頼らずに将来の収益性を重視する「事業性評価融資」の浸透などを背景に、中小企業向けの貸し出しは増加基調にある。山陰合同銀は前期の法人向け貸し出しが前の期と比べて6%増加。貸出金利息は11年ぶりに増加に転じた。

人手不足や競争環境の激化で中小企業の経営状況も厳しさを増している。貸出金利回りの低下をこなしつつ安定した利ざやを確保するには、貸出金の量を求めるだけでなく、「コンサルティングや専門人材の派遣など、経営支援を通じた融資先の収益改善に向けた取り組みが一層求められる」(国内証券)との声も強まっている。

■新指針を受け、効率化進める姿勢

 金融庁は4月上旬に地方銀行などに対する新しい監督指針を公表した。従来は足元の自己資本比率に健全性の軸足を置いてきたが、新たな指針では将来の収益力を重視する仕組みに転換する。中国5県の地銀の経営者は決算会見で、収益環境が厳しい現状を踏まえ、盤石な財務体質の確立に取り組む姿勢を強調した。

監督指針の見直しは人口減少や超低金利などで地銀の中長期的な「稼ぐ力」に厳しさが増していることが背景にある。銀行破綻を防ぐ目的で導入された「早期警戒制度」の見直しなどで、本業で赤字が続くような収益力の低い地銀の経営にメスを入れ、早めの改善を求めることが狙い。今夏にも存続可能性の一斉点検に着手する見通しだ。

「営業体制や配当政策の見直しを進めている」――。島根銀行の鈴木良夫頭取は15日の決算会見で、新しい監督指針の運用に先駆けて効率化を進めていることを強調した。同行は本業のもうけを示すコア業務純益が中国5県で唯一、赤字が続いている。

2022年3月期をメドに黒字転換する方針を会見で示したが、「改善がなければ金融庁は新指針に基づいた経営責任の明確化を求め、事実上の人事刷新を迫る可能性もある」(島根県内の金融関係者)との声もある。

「コア業務純益の水準は相対的に高く、シミュレーション上でも問題はない」と話すのは広島銀行の部谷俊雄頭取。同行の19年3月期のコア業務純益は4年ぶりに増加に転じ、5県の地銀の中でも高水準を維持している。

ただ、超低金利を背景に厳しい環境は続く。広島銀は資産管理業務など非金利収入の比率を、現在の35%から22年3月期に40%以上に引き上げることを目標としており、「マーケットに左右されない安定的な収益構造を早期に確立していきたい」(部谷頭取)とも述べた。

山口フィナンシャルグループの吉村猛社長は「新しい指針は地銀がこれからどのようなビジネスモデルを組み立てるかという問題だと思う」とした。その上で「地域活性化にまつわる事業を展開しつつ、既存の金融ビジネスを進化させていきたい」と話した。

中国銀行の宮長雅人頭取は「このままだと持続可能な経営ができないのではないかと言われる可能性もある。環境変化を踏まえて中期計画を本気で練り直している」とした。新しい監督指針の運用を前に、各行では店舗や人員配置の見直しといった業務効率化に向けた取り組みが加速しそうだ。

(田口翔一朗)

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