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桐生麻耶 男役の幅広げ OSK4年ぶり新トップ(もっと関西)
カルチャー

関西タイムライン
2019/4/5 11:30
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大阪を本拠地とする女性だけの歌劇団、OSK日本歌劇団の新トップスター、桐生麻耶のお披露目公演が13日から大阪松竹座で開かれる。昨年退団した高世麻央からトップの座を継ぎ、4年ぶりに就任した新トップの下で2022年の劇団創立100周年に向け新たな一歩を踏み出す。

新トップ桐生麻耶(中央)のお披露目公演、第1部の和物レビュー「春爛漫桐生祝祭」(3月、東京の新橋演舞場)

新トップ桐生麻耶(中央)のお披露目公演、第1部の和物レビュー「春爛漫桐生祝祭」(3月、東京の新橋演舞場)

■三枚目もこなす

「唯一無二の男役」とキャッチコピーがつく桐生は彫りの深い顔立ちと175センチの長身で、男らしい男役としてのたたずまいが強い印象を残す。ただ、男役トップスターへの王道をこれまで歩んできたわけではない。三枚目の役割も率先して担い、長くトップスターを支えてきた。

それまで桐生の出演作に多く携わり、今回のお披露目公演も手掛けた山村友五郎は「魅力ある二枚目でありながら(従来の男役の枠にとらわれず)制約なく何でも演じられる」と評価する。

二枚目のイメージが強い男役が務めてきたこれまでのトップとは違うタイプのスター就任で「新しいビジョンが開けた。OSKでこれまでにない挑戦ができる」とも話す。良くも悪くも形式が確立している男役の枠を広げる桐生の存在で「OSKに幅が出る」(演劇評論家の薮下哲司)との声もある。

お披露目公演「レビュー春のおどり」は和物のレビュー「春爛漫桐生祝祭」(作・演出・振付・山村友五郎)と洋物レビュー「STORM of APPLAUSE」(同・平澤智)の2本立て。どちらもお披露目にふさわしいおめでたい内容だ。

なかでも桐生の名前が冠された第1部は地元大阪の天神祭から青森のねぶた、沖縄のエイサーまで各地の祭りが題材だ。「祭りを通して様々な感情を表現できたら」と、桐生の意気込みも十分だ。

劇団シンボルの桜を掲げ春を祝う舞踊、桐生が見えを切る殺陣、上方落語をもとにした笑いなど見どころも豊富。多くの要素を取り入れながら、和物のレビューを得意とするOSKの魅力も伝える作品になった。

■解散の経験糧に

桐生は「毎年松竹座の舞台に立てるのは当たり前ではない。熱量を持って作品に向かい合わなければ。それを(団員に)伝えていくために私がいる」と力を込める。言葉の裏にあるのは2003年に一旦は解散を余儀なくされた苦しい経験だ。劇団復活後も不安定な環境の下、現在につながる道を切り開いてきた。その苦労を知る団員も大部分がすでに退団した。

近年は公演回数も増え、「東京のファンが大阪に遠征する姿も見るようになった」(薮下)。代名詞のレビューだけでなく、芝居や訪日観光客向けショーなど活躍の場も増えている。新たなスター像を体現する桐生の活躍が劇団創立100周年に向けて新たなOSKの姿を見せてくれそうだ。

(大阪・文化担当 佐藤洋輔)

■OSK・豊田代表に聞く 芝居やデジタル 新機軸で観客増

OSKは1922年に松竹楽劇部として発足以来、京マチ子をはじめ多くのスターが輩出した華やかな歴史を持つが、2003年に一旦解散。翌年に復活した後も不安定な時代が続いた。6年前からIT企業ネクストウェアが経営に参画し、現在は同社子会社となっている。OSK代表も務める豊田崇克社長に今後の展望を聞いた。

――OSKの現状をどう見ますか。

「着実にファンを増やしている。公演数が増え、年間客席数はこの5年で約2倍。売上高も5年前の6千万円から現在は3.6億円に、収支も3年前から黒字化している。団員も26人から58人に増えた。作品の質を上げるため衣装を新調するなど現場に投資したことが奏功したと考えている。松竹との連携を密にして、ビジョンを共有できる体制になったことも大きい」

――訪日外国人向けのショーなど活躍の場も広がっています。

「現在、公演は大きく3種類。大阪松竹座など大きな会場でのレビュー、近鉄アート館など劇場で行う芝居、小規模会場で行うインバウンド向け公演などだ」

「レビューは最もOSKらしさを表現できる『華』。ただ、感情移入しにくく、顧客開拓につながりにくい。その点、芝居はOSKを知らない層に関心をもってもらうきっかけになりやすい。目下、芝居公演を増やしている。小規模会場はスターを身近に感じてもらいながら、インバウンド向けやデジタル技術を使った新演出など新たな取り組みをする実験場だ」

――今後も成長が見込めますか。

「まだまだ成長できる。現在、ベースとなるファンは3千~5千人。5年後にはケタを1つ上げたい。そのために団員の発掘・育成にも力を入れている」

「OSKが持つ『和』の魅力は海外にも訴えるものがある。女性だけの劇団という特徴も世界でアピールできる。まずは海外からの注目が集まる大阪・関西万博がある。カジノを中心とする統合型リゾート(IR)施設の誘致も想定し、開業する5~6年後に向けて成長を続けていきたい」

――コンピューターシステムの開発や販売を手掛ける本業との関係はどうなっていますか。

「我々が持つデジタル技術をエンターテインメントの現場に導入し実証していく場と位置づけている。国内のエンターテインメント業界はITの導入が遅れており、OSKで成功したものは横展開していく。具体的には顔認証やデータ解析などの技術を使った顧客管理や最新の映像演出、仮想現実(VR)映像を使ったコンテンツ開発などを考えている」

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