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2019年11月18日(月)
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【ディスカウントスーパー】24時間店舗を展開。食品卸も。

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西日本豪雨から1カ月 経済復興、ようやく道筋
西日本豪雨 復旧から復興へ(上)

2018/8/6 20:12
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平成最後の夏、幅広い地域を襲った西日本豪雨。3日にわたり降り続いた強い雨は中国地方の山々や河川、住宅地を痛めつけ、多くの人命を奪ったうえ、経済・生活インフラにも甚大な打撃をもたらした。この平成最大の豪雨災害から6日で1カ月。被害の全容もつかめるようになり、国の支援策や自治体の補正予算もそろってきた。地域経済は復興へようやくスタートラインに立った。

 土砂崩れの被害を受けた7月8日(上)と、8月3日の山陽自動車道志和トンネル出入り口付近=広島県東広島市(共同通信社ヘリから)

広島県庁は豪雨後、半旗を掲げている

 西日本豪雨で天井近くまで浸水し、営業再開に向け準備が進むローソン高梁落合町店=1日、岡山県高梁市

 西日本豪雨による浸水被害で腐敗したブドウの房を見つめるブドウ農家武本堅さん=7月22日、岡山県倉敷市真備町地区

■製造業に爪痕深く JR線の完全再開は来年に

地域経済の根幹を支える製造業は大きな打撃を受けた。被災した中小企業の多くは景況感を悪化させており、立ち直りには時間がかかる可能性がある。経済活動を支える鉄道網も寸断解消に弾みがつき始めた段階で、JR西日本は完全復旧に全力を注ぐ。

広島、岡山両県では土砂崩れや浸水、断水で大きな被害を受けた工場も多く出た。断水はほぼ解消されたが、工場棟の内部にまで浸水した事業所は生産設備の交換など再開に時間がかかる企業もある。

「取引先の企業の社員が通勤可能かどうか」。マツダは部品メーカーの社員が通常通り出勤できるかに気を配る。マツダがフル操業に戻れるか否かの分かれ目だからだ。周辺道路の交通渋滞が続く呉市天応にあるユーシンの広島工場では、海田町から広島呉道路の通行可能な区間を使って社員を乗せたバスの送迎が始まった。

「道路の通行止めで線路に近づけなかった」。JR西日本は豪雨が去ったあと、被災の全容を把握するのに1週間近くかかった。JRの不通区間で8月中には東広島市、呉市のそれぞれ一部区間で運転を再開する。橋桁が流された芸備線は、川を管理する広島県と河川の復旧を進めながら橋を再建するため一部区間の再開が1年以上かかる。

伯備線は8月1日に全線が再開し、特急が運転を全面再開した。JR西日本とJR貨物は山陽線が再開する10月までの期間、山陰線を代替して貨物の運転を再開する調整を進める。姫新線、因美線、芸備線の新見―備後落合は9月中までの全面再開を目指す。

■商品不足は1週間で改善 浸水店舗、本格再開に時間

小売業も浸水で営業を一時休止したり、交通網の寸断で商品が品薄になったりした店が続出した。基幹道路の段階的な再開で、被災後数日~1週間ほどでスーパーやコンビニエンスストアに食料を輸送する車両が通行可能になり、品薄状況は解消する方向に向かった。ただ、浸水店舗の中には本格再開には時間がかかるところもある。

「山陽道が使えたのは本当に大きかった」。マックスバリュ西日本の加栗章男社長は振り返る。広島県が主要な県内のスーパー各社と協議し、西日本高速道路とも調整。緊急車両のみ通行可能だった河内インターチェンジ(IC)―広島IC間では、7月10日朝から救援物資を輸送する車両も通行できるようになり、品薄だった店舗に商品が行き届き始めた。イズミは道路寸断の影響を回避するため船をチャーターして呉港まで海上で物資を輸送し、ゆめタウン呉(呉市)に供給した。

浸水被害のあった店舗も営業を再開した。仮設テントで営業するマックスバリュ本郷店(広島県三原市)は冷凍・冷蔵ケースの調達に時間がかかるため、本格的な営業再開には時間がかかる見通し。大規模な浸水被害のあった岡山県倉敷市の真備町地区では、大黒天物産のディスカウントスーパーが14日に営業を再開した。天満屋ストアは17日に移動販売車で、山陽マルナカも20日から店舗前でそれぞれ仮営業を始めた。

■農林水産業、被害760億円超に 果実の糖度低下にも懸念

農林水産業への打撃もようやく全容が見えてきた。広島、岡山両県では農地や施設への土砂流入などが相次いでおり、両県での被害総額は760億円超に膨らんでいる。

広島県のまとめによると、2日時点で被害総額は610億円以上に膨らんだ。農業では三原市や東広島市、広島市を中心に農業用施設や農地、農作物などの被害が469億円に上り、うち農作物は10億円超に増えた。林業では山腹崩壊など約140億円に及んだ。

県農林水産局は「まだ呉市などいくつかの自治体から農作物の被害報告が届いていないが、これ以上は極端に増えないだろう」と見ている。県では2018年度8月補正予算のうち、農地や農林水産施設の復旧に向けて197億円を充てる。

岡山県の被害総額も、6日時点で150億円に達した。水稲の被害に加えて、県の特産品であるブドウやモモでも樹木流出が発生。農作物やビニールハウスなどの設備の被害は8億円に上った。

JA岡山中央会によると、大規模な冠水が発生した倉敷市真備町地区ではブドウ農家数軒で出荷直前に圃場全域が浸水被害を受けた。モモやブドウが旬を迎えた中で、今後は木の根腐れや果実の糖度低下、コメの品質低下といった「数字に反映されない影響が懸念される」としている。

河川から土砂や流木が海に流れ込むことで漁業にも影響が出ている。岡山県漁業協同組合連合会によると、今も一部地域で漁網破損を防ぐために漁の自粛が続いている。

■政府、観光地復活へ1泊6000円補助 中小の事業再開へ補助金

西日本豪雨からの復旧・復興に向け国や自治体の支援策がまとまってきた。宿泊キャンセルが相次ぐ観光地支援に向けて政府が条件付きながら1泊6千円の補助制度を設けるなど、財政面からも地域の再建を後押ししていく。

広島県は臨時議会を開き一般会計で1282億円と補正予算としては過去最大の予算案を可決した。岡山県は7月に146億円、8月に95億円の補正予算を議会承認を得ない専決処分で決定した。広島県の湯崎英彦知事は「さらなる被災者支援、復旧へ9月補正予算も含め検討する。9月上旬にも中長期的な視点による復旧・復興プランを示す」としている。

政府は復旧に向け、「生活・生業(なりわい)再建支援パッケージ」をまとめた。2018年度予算の予備費から1058億円を充てる。柱となるのは被災した中小企業や個人事業主への補助だ。複数の被災企業がグループで復興計画を県に提出し認定を受けると、建物や設備の復旧費のうち最大4分の3を補助する。事業再開のめどが立たない工場や商店の利用を見込む。

被災地では宿泊キャンセルなど観光への影響も大きい。観光支援について、国土交通省は夏休みから9月のシルバーウイークまでを念頭に、被災した11府県の観光地で「2県以上・2泊以上」の宿泊をした旅行者について、宿泊料金を支援する。岡山、広島、愛媛の3県では1人1泊あたり6千円、他の8府県で4千円を補助して観光需要の喚起を狙う。

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