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飲食店などの全面禁煙に「賛成」81% クイックサーベイ
あきらめの喫煙者も

2010/3/8 4:00 (2010/3/17 17:12更新)
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

「緊張したときに吸うタバコの味は格別である。仕事をやり終えたあとの一服には莫大(ばくだい)な値がつく」。かつて作家の開高健氏はこんな一文を残した。たばこの吸いっぷりのよい銀幕スターに若者があこがれ、世界の指導者が葉巻やパイプの煙をくゆらせたのは昔日のこと。現代は紫煙をいかに規制するかが課題になった。

厚生労働省は他人のたばこの煙で健康を害する受動喫煙問題を重視。分煙では不十分として2月に、病院や飲食店、ホテル、駅、パチンコ店など多数の人が利用する場所は原則として全面禁煙にするよう要請する通知を出した。

今回の調査では、この要請への賛成が81%と圧倒的多数を占めた。回答者のうち76%はたばこを吸わない人なのだから、賛成が多いのは当然といえば当然だ。

注目すべきは、たばこを吸っている人からも40%が賛成に回ったことだ。その最大の理由が「これも時代の流れだと思うから」。ここからは喫煙者のあきらめや達観が読み取れる。吸わない人が「煙やにおいに迷惑していたから」を理由にしたのと対照的だ。

厚労省の要請に従って、飲食店などが全面禁煙にした場合、客が減るのではないかという懸念がある。一方で、たばこを吸わない人たちが新たな客として訪れる可能性もある。そのプラスとマイナスは微妙なところだ。

喫煙者が多いのがいやで、行かなかったり、足が遠のいたりしている場所が「ある」と回答した人は、たばこを吸わない人の55%に達した。その代表に挙がったのが居酒屋と喫茶店だ。全面禁煙にすればこうした層が新規の顧客になりうる。そこをどう計算するか、店側の判断だろう。

たばこを吸う人になぜ吸うのか質問した。最も多かったのは「ストレス解消のため」で39%。禁煙を試みたことがある人は69%にも及んだ。スーダラ節ではないが、体にはよくないと「わかっちゃいるけど、やめられねえ」姿が浮かぶ。米国のオバマ大統領も禁煙を貫けずにいると伝えられる。難儀な時代だ。

(編集委員 須貝道雄)

調査方法 調査会社マクロミルを通じ、2月26~27日に20歳以上の1032人を対象にインターネットで実施した。


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