日本経済新聞社

記事利用について
印刷 印刷

日本航空名誉会長「無謀な拡大路線とらず」
成長戦略を聞く

2012/11/1 3:30
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

――米サンディエゴ線、フィンランド・ヘルシンキ線など海外新路線が相次ぐ。再上場後は拡大戦略を強化するのか。

日本航空名誉会長 稲盛和夫氏

日本航空名誉会長 稲盛和夫氏

「確かに堅調な業績を背景に経済的に余裕ができ拡大路線をとれなくもない。しかし、航空業界ほどイベントリスク(感染病やテロなど突発的な出来事で需要が急減するリスク)が大きい産業はない。現在、(これから一気に路線を)拡大するのは非常に問題がある」

「もう一つ、拡大戦略に慎重になるのは日本航空破綻の原因に無謀な路線拡大や多角化などがあったからだ。二度と繰り返さないためにも経営は慎重にと指導している」

――来年6月までに現在の役職から退任するとしている。過去の日航に戻ることはないのか。

「心配はしている。順調な回復が続くとリーダーの精神構造も変わっていくからだ。投資家らから安定しているだけで価値はないと言われ続ければ過度に積極的な経営姿勢に変わりかねない。(日航を)辞める時は、おごらないことを強く言っていくつもりだ。必要とされるなら、時々、活を入れることが必要なのかもしれない」

――競合他社は更生法適用と公的資金注入で復活した日航との競争は公平・公正の観点から問題があると主張している。

「そう考えたとしてもおかしいことじゃないかもしれない。だが、日航は法律にのっとって復活した。累損を活用した法人税の減免措置も税法上のルールに従っている」

「他社は財務体質が強くなった日航が横暴を極め競争環境をゆがめることを懸念しているのだろう。しかし、私が名誉会長でいる間、無謀な運賃競争や路線競争などをしかけることはない」


本サービスに関する知的財産権その他一切の権利は、日本経済新聞社またはその情報提供者に帰属します。また、本サービスに掲載の記事・写真等の無断複製・転載を禁じます。