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誰も管理しない橋、コンクリ落下で「発見」相次ぐ

2014/6/18付
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日本経済新聞 電子版

日経コンストラクション

 本来、県が管理しなければならないはずの橋梁が台帳に記載されておらず、維持管理が適切になされていなかった――。香川県は2014年6月16日、県が管理する道路に架かる跨道橋(こどうきょう)62橋のうち、台帳に記載がない橋が11橋あったと発表した。発覚のきっかけは、住民が見つけたコンクリート片の落下事故だった。

コンクリート片が落下した跨道橋(資料:香川県、以下同じ)

コンクリート片が落下した跨道橋(資料:香川県、以下同じ)

 香川県は6月10日、三豊市山本町の国道377号に架かる跨道橋からコンクリート片が落下していたと発表した。けが人は確認されていない。県が調べたところ、台帳に橋に関する記載がないことが分かった。1975年の供用開始から、一度も点検していなかった可能性がある。

 この跨道橋は幅3.3m、橋長17mの鈑桁橋(ばんげたきょう)。地元住民が利用している。コンクリート片は、端部の地覆から国道の歩道上に落下した。コンクリート片の大きさは25×6×4cmが1個、1~3cm角が11個。かぶり厚が薄い箇所の内部鉄筋が腐食して膨張し、コンクリートがはがれ落ちたとみられる。

 6月7日に、散歩中の住民が落下したコンクリート片を発見した。発見者は6月9日、地元の三豊市山本支所にコンクリート片を持ち込み、市職員が県西讃土木事務所に通報した。県は10日に近接目視と打音検査を実施し、安全性を確認した。通行規制などはしていない。

 ほかにも記録がない橋が存在しないか、県管理の道路に架かる62橋の跨道橋を6月10日~16日に調査したところ、新たに10橋で台帳への記載漏れが見つかった。県道路課は「台帳の重要さを痛感した」とし、記載がなかった橋梁について、定期点検レベルの調査を実施する方針だ。

台帳への記載が漏れていた11橋

台帳への記載が漏れていた11橋

■「誰も管理していない橋梁」が崩落した過去も

 香川県が管理している道路橋は、2013年時点で1448橋。県は橋長2m以上の橋について、諸元や構造図などをまとめた台帳に基づく5年に1回の定期点検を、2008年から実施している。

 コンクリート片が落下した跨道橋の場合、記録が存在しないので、過去に点検などを実施したことがあるかどうか分からない。供用から39年間、一度も点検を実施していなかった可能性もある。

 台帳への記載が漏れていた理由は不明だ。コンクリート片が落下した跨道橋について県道路課は「紛失したのではなく、作成していなかったのではないか」と推測する。国道の整備に伴って県が跨道橋を建設した後、管理を三豊市に移管し忘れて、うやむやになってしまった可能性がある。しかし、今となっては真相の確認は簡単ではない。

 香川県で「誰も管理していない橋梁」が見つかったのは、これが初めてではない。

 2007年11月には、香川県東かがわ市と徳島県阿波市の県境に位置する橋長約20mの鋼2径間単純トラス橋が高所作業車の通行中に崩落。事故が起きるまで、どの自治体も管理していなかったことが発覚した。大影谷川に架かるこの橋梁の左岸(東かがわ市側)には国道377号が通っており、崩落した橋は右岸(阿波市側)の民家と国道を結んでいた。当時の教訓は、全く生かされなかった。

跨道橋からは、合計12個のコンクリート片が落下した

跨道橋からは、合計12個のコンクリート片が落下した

(日経コンストラクション 木村駿)

[ケンプラッツ 2014年6月17日掲載]


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