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増税に負けず明るく消費 14年上半期ヒット商品動向
日経トレンディ

2014/6/10 6:30
ニュースソース
日本経済新聞 電子版
日経トレンディ
 長い長い不況のトンネルを抜け、アベノミクスでようやく元気になれたのが2013年。2014年4月に立ちはだかった消費増税も、その流れを断ち切ることはできなかった――。「日経トレンディ」は2014年上半期のヒット商品100個を選定。それらを独自に分析し、ランキング化した。その結果を俯瞰(ふかん)すると、増税に屈することなく、努めて買い物を楽しもうとする消費者の姿が浮かび上がってくる。

2014年の上半期ヒット商品ランキングでは、消費の動向を従来よりも深掘りするため、5つのジャンルに分けてベスト20を選出。合計100商品を取り上げた。例えば、「デジタル・クルマ」のジャンルを総括すると、カメラなど一部の尖った製品を除いては、画期的な商品が少なく、元気がない印象。安さを武器にした「楽天でんわ & LINE電話」(1位)や、「ウィンドウズタブレット」(3位)、「iPhone 5s」(4位)など、やや新味を欠くヒットの常連が上位を占めた。増税前の駆け込みで幅広く家電が売れたため、新製品が埋没してしまったとも考えられる。

しかし、それ以外のジャンルはむしろ逆だ。例えば「食品・飲料・外食」のジャンルでは新商品が絶好調。「アサヒスーパードライ ドライプレミアム」(3位)、「牛すき鍋膳」(4位)など、少し高くても、ちょっとしたぜいたくや幸せを味わえるものがよく売れた。

この背景にはもちろん人々の前向きな消費意欲があるが、それをくみ取り、増税による消費の冷え込みに抗ったメーカー側の巧みな戦略もあった。「斬新な商品をあえて4月以降に売る」「メガブランドの信頼感を生かす」……。上半期のヒット商品にはいくつかの共通項が見て取れる。

不況から抜け出し、増税にも負けず、もっと元気になりたい。そんな消費者の背中を押して爆発的なヒットに結実したのが、「エンタメ・施設」ジャンル1位の『アナと雪の女王』だ。主題歌「レット・イット・ゴー」の日本語訳「ありのままで」を思わず口ずさんだ人も多いはず。劇場で観客が大合唱する「みんなで歌おう!」には子供や大人の女性が大挙。社会現象となった。

品薄で、子供のために親が奔走したり、プレミアが付いて高額になったり。同じく局地的な社会現象となったのが、「ゲーム・玩具・文具」ジャンル1位の「妖怪ウォッチ」。こちらもアニメやゲームに登場する、妖怪メダルを集めたくなる仕掛けが満載だった。

そこで今回は「エンタメ・施設」「デジタル・クルマ」「食品・飲料・外食」「ゲーム・玩具・文具」「日用品・ファッション」の5ジャンルについて、それぞれ1位から5位までを紹介する。

節約疲れのお父さんはちょっとリッチに牛すき鍋膳に舌鼓。子供に妖怪ウォッチのメダルをねだられ右往左往のお母さんは、自分もTSUM TSUMにハマり中。週末はみんなで『アナと雪の女王』を鑑賞――。2014年上半期の一コマには、増税前後でも我慢せず楽しもうとする家族の姿がある。「ちょっと贅沢」「明るい気持ちになる」そんな商品が多かった

節約疲れのお父さんはちょっとリッチに牛すき鍋膳に舌鼓。子供に妖怪ウォッチのメダルをねだられ右往左往のお母さんは、自分もTSUM TSUMにハマり中。週末はみんなで『アナと雪の女王』を鑑賞――。2014年上半期の一コマには、増税前後でも我慢せず楽しもうとする家族の姿がある。「ちょっと贅沢」「明るい気持ちになる」そんな商品が多かった

【2014年上半期ヒット商品ランキングの選考基準】
2013年10月から14年5月の間に発売された製品・サービスを対象にヒットの度合いを評価した。具体的には下の3項目に沿って総合的に判定した。期間前に発売された商品でも、期間内に著しくヒットしたものは対象に加えた(昨年ヒットしていたものは除く)
●評価項目
【売れ行き】売り上げやシェアはどれだけ拡大したか。どれだけ人を集めたか
【新規性】画期的な機能や特徴、売り方はあったか
【影響力】他社の追随を呼ぶ、あるいは従来にない市場を形成したか。新規ユーザーを開拓、あるいは消費者のスタイルを変えたか

(c)2014 Disney (c)Disney (c)Disney/(c)Pixar (c)DISNEY.Based on the "Winnie the Pooh"works,by A.A.Milne and E.H. Shepard.

■「2014年上半期ヒット商品ランキング」 ジャンル別ベスト5

(日経トレンディ編集部)

[日経トレンディ 2014年7月号の記事を基に再構成]

[参考]日経トレンディ 2014年7月号(2014年6月4日発売)の総力特集は「2014年上半期ヒット商品ランキング」。今年話題となった100個の商品について、ヒットの理由を分析する。また、注目が高まっているスマートフォンの「激安通話」について、15サービスを徹底比較。本当に音のいいサービスが明かに。そのほか、サッカーW杯に向けて購入意欲が高まっている、最新の「テレビ&レコーダー」の選択ポイントについても紹介する。

日経 TRENDY (トレンディ) 2014年 07月号 [雑誌] [雑誌]

編集:日経トレンディ
出版:日経BP社
価格:600円(税込み)


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