日本経済新聞社

記事利用について
印刷 印刷

第一電子、ベトナム・上海の拠点増強 スマホ部品需要に対応

2012/2/14付
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

栃木県真岡市に工場を置く電子部品メーカーの第一電子工業(東京・江東、鈴木盛夫社長)はベトナムと中国・上海の製造拠点を拡張する。生産するコネクターの需要がスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けを中心に増えているのに対応。来期売り上げ300億円達成につなげる。タイの洪水を受け、災害リスク分散も狙う。国内では青森子会社の工場を閉鎖して真岡に統合・集約。国内外で生産効率化を進める。

上海とベトナム(写真)の拠点増強に20億円以上投資する方針

上海とベトナム(写真)の拠点増強に20億円以上投資する方針

第一電子は電線大手のフジクラグループ。真岡事業所(真岡市)で開発・生産を手掛けるほか、海外ではタイと中国、ベトナムにそれぞれ製造拠点を展開する。

ホーチミン近郊・ビンズオン省の工業団地に立地するベトナムの拠点では3万平方メートルを超える敷地の空き部分を活用。工場棟を現状の延べ床面積2千平方メートル強から4倍に拡張する計画。1月中旬に着工しており、7月稼働を目指す。市場動向を見極めつつ、従業員も現状の3倍の1千人近くまで順次増やす考え。

タイに次ぐ生産規模を持つ上海では既存工場の近隣に貸工場を確保し、春に向けて生産規模を拡大する方針。ベトナムと上海を合わせた投資額は20億円を超える見通し。

生産全体の6割程度を占めるタイの主力拠点は中部のナワナコン工業団地にあり、昨年10月の洪水で浸水した。11月初旬にはタイ国内の貸工場などで生産を一部再開。真岡でもタイ従業員を受け入れて代替生産に乗り出す一方で修繕工事も並行して進め、1月後半にはほぼ復旧した。

ただ洪水被害で一時操業停止を余儀なくされたのを教訓とし、拠点再開後も別に貸工場は残す考え。ベトナムや上海との分散生産体制を整えつつ、製造工程の自動化や部品の内製化などで生産効率も高める。

円高の長期化で海外勢とのコスト競争が激しくなるなか、日本国内では全額出資子会社の青森ディーディーケイ(青森県弘前市)を本体に統合・集約する。現地取引先向けに本体の分室として年内は生産の一部を残す方向だが、最終的に閉鎖。会社は3月にも清算する予定。従業員70人のうち30人強は本体が雇用して真岡に移す。他の従業員は再就職を支援する。

第一電子の2011年3月期の売上高は約276億円。タイ洪水の影響は受けたが、一連の投資で新たな需要を取り込み、13年3月期は300億円を目指す。


本サービスに関する知的財産権その他一切の権利は、日本経済新聞社またはその情報提供者に帰属します。また、本サービスに掲載の記事・写真等の無断複製・転載を禁じます。