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夫婦別姓、割れる意見 論議再燃の可能性

2013/5/29付
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日本経済新聞 電子版

夫婦同姓を定めた現在の民法の下でも、結婚後も職場などで旧姓を使う女性は多く、銀行や病院など日常の手続きで姓を使い分ける煩わしさは解消されていない。政府の世論調査では、夫婦別姓の是非について国民の意見が割れており、判決を機に、夫婦別姓を巡る議論が再燃する可能性もある。

夫婦別姓制度の導入は長年、政府の検討課題とされてきた。法制審議会(法相の諮問機関)は1991年に導入の検討を開始し、結婚後も別々の姓を名乗れる「選択的夫婦別姓制度」を盛り込んだ民法改正案要綱を96年に答申。しかし、当時の自民党内で「家族の一体感を損なう」などと反対が相次ぎ、法改正は見送られた。

2002年には例外的に別姓を認める「例外的夫婦別姓制度」の試案が作られたものの、自民党内で意見集約が頓挫。民主党政権下の10年にも96年の法制審答申をベースにした改正案が公表されたが、政府与党内がまとまらず実現しなかった。

一方、働く場では結婚後の旧姓使用が定着しつつある。民間の産労総合研究所が10年に行った調査によると、回答があった民間企業192社のうち旧姓使用を認めているのは55.7%。従業員1千人以上の企業では71.8%に上った。

姓を使い分ける不都合も少なくない。今回の訴訟で原告となった女性は、結婚後も仕事で旧姓を名乗っていたが、給与の振込先口座は新しい姓で登録せざるを得ず、事務担当者が混乱して給与明細が届かないこともあったという。

夫婦別姓に対する国民の見方も割れている。12年12月実施の内閣府の世論調査によると、選択的夫婦別姓制度の導入を「必要ない」とする反対派は36.4%で、「構わない」と答えた容認派の35.5%をやや上回った。夫婦別姓の影響については、67.1%が「子どもに好ましくない」と回答、「影響ない」の28.4%を大きく上回った。


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