日本経済新聞社

記事利用について
印刷 印刷

永住外国人も生活保護対象 福岡高裁、一審取り消し

2011/11/15付
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

大分市が生活保護の申請を却下したのは違法として、永住資格を持つ中国籍の女性(79)が市を相手取り、却下決定の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決が15日、福岡高裁であった。古賀寛裁判長は「永住外国人は生活保護法を準用した法的保護の対象になる」として、外国籍を理由に原告の訴えを退けた一審・大分地裁判決を取り消し、市の却下処分を取り消した。

原告弁護団によると、永住外国人について、日本人と同様に生活保護法の対象になると認めた判決は全国で初めて。

判決によると、女性は親族に預金通帳などを取り上げられ生活に困窮。2008年12月に生活保護を申請したが、市は預金があることなどを理由に却下した。一審・大分地裁は昨年10月、「外国人に生活保護法は適用されない」などとして訴えを退けていた。

生活保護法は対象を日本人と規定。一方で外国人については旧厚生省が1954年に日本人に準じて扱うよう通知。90年に対象を永住外国人に限定するよう指示した。

古賀裁判長は判決理由で、こうした経緯や、生活保護は通知に基づく運用を続けるため国籍条項の改正が見送られたことなどを挙げ、「国は一定範囲の外国人も法的保護の対象とした。永住外国人である女性が生活保護の対象となることは明らか」と認定した。


本サービスに関する知的財産権その他一切の権利は、日本経済新聞社またはその情報提供者に帰属します。また、本サービスに掲載の記事・写真等の無断複製・転載を禁じます。