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移植用の膵臓、血管網でき定着度向上 横浜市大が作製

2018/5/9 0:00
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 横浜市立大学の武部貴則教授と谷口英樹主任教授らは、膵臓(すいぞう)の一部の立体的な組織を作った。毛細血管が網の目状にできており、移植した際に定着率が高まるという。糖尿病のマウスで試したところ、血糖値を下げるインスリンと呼ぶホルモンが分泌され、9割超が生き延びた。糖尿病の新たな治療法につながるとみている。

 米科学誌セル・リポーツに9日発表した。

 人間やマウスの体から膵島(すいとう)と呼ぶ組織片を取り出し、血管などのもとになる間葉系幹細胞と血管の内側の細胞と一緒に容器内で培養。細胞に栄養や酸素を送る血管網のある膵島ができた。

 糖尿病を発症させたマウス11匹に移植したところ、5日目で10匹が生存した。2日目には、移植した膵島の血管に血液が通っていた。血管網のない膵島を移植した場合は4割ほどだった。

 傷んだ臓器の機能を取り戻す再生医療では、立体構造を持った臓器や組織を作り、移植効果を高めるかが課題とされる。今後、糖尿病治療をにらんだ研究を進めるとともに、iPS細胞を使って同様の立体組織が作れるかどうか試す。


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