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米、韓国の通貨安誘導を禁止 FTA見直し合意

2018/3/28 11:22
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日本経済新聞 電子版

 【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は27日、韓国と米韓自由貿易協定(FTA)の見直しで大筋合意したと正式発表した。同時に両国が競争的な通貨切り下げを禁じる「為替条項」の導入でも合意したことを明らかにした。米国への輸出拡大を狙った韓国の通貨安誘導を防ぐためで、米国が同条項を結ぶのは初めてという。日本など他の国との通商交渉でも同条項の導入を働きかける可能性がある。

 米政府高官によると、為替条項は(1)競争的な通貨切り下げを禁じる(2)金融政策の透明性と説明責任を約束する――といった内容だ。両政府の財務担当省庁が今後詳細をつめて協定を結ぶ。FTAの中身には盛り込まず、「付帯協定」との位置づけのため強制力は持たないという。

 FTAは関税の引き下げや非関税障壁の撤廃など貿易の促進が主な目的で、通貨安誘導を封じる為替条項は通常盛り込まない。これまで米国も為替条項を貿易協定や、それに伴う付帯協定に盛り込んだ例はない。

 トランプ大統領は貿易相手国の通貨安誘導を抑えるため、通商交渉で為替条項の導入を求めてきた。カナダ、メキシコと進める北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉でも要求。米国は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でも導入を主張したが、相場が急変したときに為替介入を制限される恐れがあるため日本などの反対で見送った。

 トランプ政権は鉄鋼やアルミニウムへの高関税適用などの輸入制限発動をちらつかせながら、通商交渉で譲歩を迫ってきた。鉄鋼の輸入制限では韓国を適用除外とする代わりに、韓国からの輸入量を2015~17年の平均の7割に抑える。

 米韓FTA再交渉は今回、自動車貿易を中心に米国の要求を取り入れる形で大筋合意した。米国のピックアップトラックの関税撤廃期間を現行の21年までから41年に先延ばしするほか、米国の安全基準で製造した自動車をそのまま韓国で販売できる台数をメーカーあたり2万5000台から5万台に引き上げる。


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