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名大、新触媒を開発 エステルを効率的に合成

2018/3/7 18:48
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日本経済新聞 電子版

 名古屋大学の石原一彰教授らは化粧品や医薬品、ポリエステルなどの材料になるエステルを効率的に高純度で製造できる新触媒を開発した。これまでの触媒では効率が悪かったエステルの一種であるバイオディーゼルの合成が簡単にできるようになった。様々な高機能材料の安全性を高め、合成コストを抑える基盤技術にしたい考えだ。

 エステルの合成にはこれまでチタンやスズ、アンチモンなど金属を使った触媒が用いられていた。これらの物質は一部のエステルの原料と強く反応してしまうため、触媒の機能が失われる問題があった。

 石原教授らは金属を使わないアンモニウム塩触媒と呼ばれる触媒を開発し、効率的に合成できるエステルの種類を増やした。新触媒を使うと医薬品の原料になる核酸誘導体や光学活性アミノ酸という物質や化粧品の原料になる高級脂肪酸、クエン酸誘導体などを簡単に合成できるようになる。

 新触媒はパーム油からラウリン酸メチルというバイオディーゼルを99%以上の効率で合成できることも確認した。副産物のグリセリンと反応しないため、少量でも合成が進むのに加え、水を使えば簡単にエステルから分離できる利点がある。

 スズやアンチモンは毒性があり、エステルから分離するのに時間とコストがかかっていた。新触媒は分離が簡単なだけでなく、別のエステル合成に再利用できるという。


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