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原子炉真下に堆積物、溶融燃料か 福島2号機

2017/1/30 20:31
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

東京電力は30日、福島第1原子力発電所2号機でカメラ調査を実施し、原子炉直下の金網状の足場に褐色や黒っぽい堆積物を確認した。事故で起きた炉心溶融によって溶け落ちた核燃料(デブリ)の可能性があるという。事故からまもなく6年となるが、デブリの実態は不明だった。東電は2月にもロボットを投入して放射線量や温度なども調べ、最終的に判断する。

1979年の米スリーマイル島の原発事故でも炉心溶融が起きたが、デブリは原子炉の圧力容器の底にとどまった。今回の堆積物がデブリなら、底を突き破っていることになる。廃炉で最大の関門とされる取り出しは非常に困難な作業となる。

今回は先端にカメラを取り付けた長さ10.5メートルの棒状の機器を2号機の格納容器内部に入れ、原子炉直下の画像が初めて撮影できた。

公開した画像では、足場となる格子状の金網の隙間を埋めるように堆積物が付着していた。金網の一部分がなくなっている部分も見えた。デブリを冷やすための水が雨水のように落下している様子も捉えた。

30日に記者会見した岡村祐一原子力・立地本部長代理は、デブリ取り出しに向け「非常に大きな節目だ」と話した。情報が限られているため、現時点で堆積物がデブリだと断定はしなかった。ロボット調査の結果を踏まえて判断する方針だ。

政府・東電は今夏にも号機ごとの取り出し方針を決める見通し。格納容器を水で満たしてデブリが発する放射線を遮った状態で原子炉上部から作業する「冠水工法」や、水を張らない「気中工法」などから選ぶ。

福島第1原発事故で炉心溶融が起きた1~3号機は高い放射線に阻まれて調査は進んでおらず、デブリの位置や量はほとんど分かっていない。2号機のデブリは、2016年7月に物質を透過する性質がある素粒子「ミュー粒子」を使った調査で、圧力容器の底に大部分が残っている可能性が指摘されている。

スリーマイル島事故では遠隔操作でデブリを取り出すことができた。一方、86年の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では外部に大量の放射性物質が放出され、溶け落ちたデブリは原子炉建屋の底で固まった。デブリは建屋内に残ったままだ。


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