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日経優秀製品・サービス賞2017

日経優秀製品・サービス賞2017

日経産業新聞賞

(最優秀賞5点・優秀賞10点)

製造業向けIoTオープンプラットフォーム「FIELD system」
最優秀賞

製造業向けIoTオープンプラットフォーム「FIELD system」

ファナック

 工場のあらゆる生産設備をつなぐことができるオープンなIoTプラットフォームシステム。稼働データなどを一元管理でき、故障の予防保全や生産の最適化に貢献する。クラウドに依存せず生産現場で処理を完了できる。リアルタイム処理ができ、精密な制御ができる。システム上で使うソフトは外部メーカーでも自由に開発でき、ユーザーは組み合わせて使える。人工知能(AI)の機能も持つ。2017年10月に国内運用を開始。自動車などのメーカー数社が導入を進めている。

無人搬送台車「S―CART(エスカート)シリーズ」
最優秀賞

無人搬送台車「S―CART(エスカート)シリーズ」

日本電産シンポ

 工場内を自動で行き来するロボット型の台車。トレーに乗せた部品や製品を自動で回収し、指定場所に届ける。指定されたコースを自動で走行する。レーザーによる目で衝突を防止するほか、カルガモのように人に追従する機能や、エレベーターに自ら搭乗する機能もある。通信機能を使いパソコンやタブレット端末で常時監視できる。4~8時間の長時間走行に対応し、充電が切れると非接触方式の充電場所に戻る。価格は360万円から。

IoT向け通信サービス「SORACOM Air」
最優秀賞

IoT向け通信サービス「SORACOM Air」

ソラコム

 あらゆるモノがネットにつながる「IoT」に特化した通信サービス。通信会社から携帯無線を借りてデータを安全に処理できる通信カードとソフトウエアを提供。ソラコムのウェブサイトを通じて手軽にIoTを導入し、データの管理ができる。クラウド上に必要なソフトを構築し、基本料金を1日10円からに抑えた。顧客数は世界で9000を超える。

スマートフォン用通信部品「IHP SAWフィルター」
最優秀賞

スマートフォン用通信部品「IHP SAWフィルター」

村田製作所

 スマートフォン(スマホ)が通信する際に複数の帯域の電波を使えるようにするための部品。独自の構造を採用することで、電波の損失を3~4割削減し、価格も競合製品に比べて2割以上安い。大きさは約1ミリメートル角で、スマホの小型化・高性能化を支えている。米アップルのiPhoneが世界各地の周波数で共通して使えるのもSAWフィルターの役割が大きい。スマホ1台に約50個を使う。価格は100円からで、5万個超の出荷を計画。

業務効率化コンサルサービス「RPA業務改革サービス」
最優秀賞

業務効率化コンサルサービス「RPA業務改革サービス」

アビームコンサルティング

 システムの「ロボット」にホワイトカラーの単純作業を代行させる「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」を使う業務改革サービス。コンサルタントがどの業務を自動化できるか診断する。新たな業務の策定から、RPAテクノロジーズ社のRPA「ビズロボ」を活用したシステムの開発、導入後の効果診断まで請け負う。内容によるがコンサル費用は100万円程度から。2017年1~9月下旬で約100社が導入した。

プラグインハイブリッド車「プリウスPHV」
優秀賞

プラグインハイブリッド車「プリウスPHV」

トヨタ自動車

 2012年に発売した後、初めてフルモデルチェンジした「2代目」となるモデル。家庭用電源で充電できる。1回の充電で電池だけで走ることができる距離は旧モデルの2.6倍に当たる68.2キロメートルに拡大。より電気自動車(EV)としての機能が高まり、通常のハイブリッド車(HV)との違いが明確になった。
 デザインでもフロントグリルやテールランプなどの意匠を通常のプリウスと大きく変えて違いを強調。家庭用電源で充電しやすくしたほか、整備が進む急速充電器にも対応し、使い勝手も良くしている。価格は326万1600円からで、最低価格は通常のプリウスより約80万円高い水準だ。
 世界的にEVシフトが進むが、1回当たりの充電での航続距離の短さや充電時間の長さが課題。日常の近距離の移動はEVモードでこなし、レジャーなどでの長距離移動ではHVとして使えるのがPHVのメリット。トヨタにとっては、HVの次を担うエコカーとして戦略的な意味合いも持つ。

住宅用宅配ボックス「COMBO(コンボ)シリーズ」
優秀賞

住宅用宅配ボックス「COMBO(コンボ)シリーズ」

パナソニック

 戸建てや集合住宅といった住宅の種類や、外壁のデザインなどに合わせて形や色を選べる宅配ボックス。電力いらずで施錠・押印できる。配線が不要で、後付けの設置工事も簡単で済む。6月から販売を始めた。
 戸建て向けには、壁に埋め込んで室内から荷物を取り出せるタイプと、ポストと一体化して門柱などに設置できる外置きタイプの2通りを用意。外置きは、塀や門のデザインに合わせて11色のレパートリーがある。集合住宅向けは居室ごとに暗証番号が設定でき、荷物の受け取りミスを防ぐ。
 再配達による配送現場の負担増を背景に、宅配ボックスの導入は盛んになっている。パナは実際に福井県で戸建て住宅に取り付ける実証実験を行い、再配達率が6分の1の8%にまで下がることを確かめた。パナの宅配ボックスは3月に前シリーズで注文が通常月の5倍殺到。今回のシリーズも期初目標より大きく上振れする見込みだ。

製造業向けIoTオープンプラットフォーム「FIELD system」
優秀賞

家庭用ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」

任天堂

 テレビにつないで据え置き型ゲーム機として遊べる一方で、タッチパネルを備えた本体を取り外せば屋外でも携帯機のように遊べる。本体の両脇には着脱式のコントローラーが2つ付いている。外に持ち出した際にはテーブルなどに立てた画面を見ながら、複数人で同時に遊べる。
 モノの形や動きを読み取るセンサーを内蔵したコントローラーを手に握り、振って操作することもできる。これまでにない多様な遊び方を楽しめる目新しさが話題になり、発売直後から店頭での品薄が続いた。
 「ゼルダの伝説」シリーズなど任天堂の有力ソフトを断続的に発売したことも人気につながった。ここ数年スマートフォンゲームが勢いを増していた中で、家庭用ゲーム機の存在感を再び示すきっかけとなった。
 4~9月で489万台を売り上げ、今年度は1400万台の販売目標を掲げる。店頭想定価格は税別2万9980円。

ウオーターオーブン専用機「ヘルシオ グリエ」
優秀賞

ウオーターオーブン専用機「ヘルシオ グリエ」

シャープ

 過熱水蒸気を使い、焼いたり揚げたりできる小型のウオーターオーブン。天ぷらやから揚げなどの総菜を温めたり、生の鶏肉からから揚げに調理もできる。普通の電子レンジに比べて水蒸気を使うため熱量が多くなり、余分な油を落としたり、油を使わないノンフライ調理ができて健康的だ。
 過熱水蒸気を使った「ヘルシオ」シリーズは販売して以来操作が複雑になっていたが、電子レンジの機能をなくしオーブントースターのように手軽に使えるようにした。小型ながら100度を超える過熱水蒸気で焼き上げる本格派で、生産計画の1.5倍を上回る10万台以上を生産した。
 異なる食材を同時に調理することも可能。例えばフライパンを使わずに目玉焼きや焼き野菜、トーストなど朝食メニューが一度に簡単にできあがる。冷凍食品と常温の食品など温度の異なる食品も加熱のムラがなく同時に温められる。市場想定価格は4万円前後。

高層ビルや工場を冷やすターボ冷凍機「GART―ZEシリーズ」
優秀賞

高層ビルや工場を冷やすターボ冷凍機「GART―ZEシリーズ」

三菱重工サーマルシステムズ

 高層ビルや大規模工場の空調に利用する大型ターボ冷凍機。地球温暖化への影響が小さいノンフロンの化学物質を冷媒に使用した。代替フロンと比べ温暖化への影響を示す地球温暖化係数が極めて小さくなる。
 2017年4月に発売。価格はエンジニアリングなどで変動するが数億円程度。運転出力を調整しない固定速機と省エネ性能がより高いインバーター機の2機種で、冷凍能力も幅広くそろえた。
 16年に国際協定のモントリオール議定書で代替フロンの生産を段階的に削減する改定案が採択され、地球温暖化への影響が小さい同製品の需要は今後高まっていくと期待される。
 代替フロンと同じ冷凍能力を出すために冷媒ガスを吸い込む圧縮機の羽根車を新たに開発。航空機エンジンやガスタービンの開発で培った流体の流れを解析する技術を活用しており、三菱重工グループの総合力を発揮した。

レシピ動画サービス「kurashiru」
優秀賞

レシピ動画サービス「kurashiru」

dely

 40秒から1分ほどで料理の作り方がわかる動画を配信するスマートフォンアプリなどのサービス。主食やおかず、スイーツ、パン・ピザなど幅広い分野の料理レシピを紹介する。材料の切り方や混ぜ方、焼き加減などを動画で見せることで直感的に分かる。
 2016年5月にアプリの提供を開始。ダウンロード数は1000万を突破した。気になるレシピを保存したり、検索したりできる機能が人気。月間約1000本のペースで動画を製作し、主婦が多く利用する。アプリの利用は無料だが、delyは食品メーカーなどと連携したレシピ動画広告を配信して収益を得る。

スポーツ専門動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」
優秀賞

スポーツ専門動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」

パフォーム インベストメント ジャパン

 2017年のシーズンからJリーグの独占配信権を獲得。J1だけでなく、J2・J3などの全試合をライブで見られることで人気を集めている。
 ライブ配信を売りにしたネット配信サービスの先駆けとなっており、多くのスポーツファンの注目を集めた。
 サッカーでは、海外リーグの配信権も多く獲得している。18年からは人気のある欧州チャンピオンズリーグ(CL)の放映権も獲得している。
 サッカー以外にも、広島カープなどプロ野球の一部試合やF1など幅広いスポーツの配信権を獲得し、それとともに利用者を増やしている。多様なスポーツが見放題で価格は1750円(月額、税別)とこれまでの有料放送に比べると安価だ。
 地上波のテレビ放送ではスポーツの試合の生中継が減っており、若いスポーツファンがスポーツに接する機会を大きく増やしている。

炊飯器「バーミキュラ・ライスポット」
優秀賞

炊飯器「バーミキュラ・ライスポット」

愛知ドビー

 バーミキュラ・ライスポットは愛知県の鋳物メーカーの愛知ドビー(名古屋市)が開発した人気炊飯器。
 鋳物製造で培ってきた高精度加工による鍋の気密性は維持しつつ、専用のポットヒーターと組み合わせることで、火加減調節などの機能を追加した。鍋の前で微妙な火加減の管理をし続けなくてもすむため、働く主婦層などに人気だ。
 センサーが鍋の中の温度を感知し、ボタン操作1つで火加減を調節できる。
 一般的な炊飯器との大きな違いの1つが保温用のフタがないことだ。フタをなくすことで鍋の中の温度差を大きくし、激しい熱対流でむらなく炊き上げる。
 機能は炊飯にとどまらず、極弱火での低温ローストの料理も作れる。セ氏30~95度まで1度刻みで温度設定できるため、微妙な火加減が必要な料理にも向く。
 価格は税抜きで7万9800円。2016年12月の発売以来、約1年間で5万台以上を売り上げた。

「せとうちディスカバリーフライト」

Photo/Tetsuya Ito(C)SETOUCHI SEAPLANES

優秀賞

「せとうちディスカバリーフライト」

せとうちSEAPLANES

 瀬戸内海の多島美を眺める遊覧飛行サービスとして、商用では約半世紀ぶりに日本の空に水陸両用機を復活させ、2016年8月に始めた。運航するせとうちSEAPLANESは造船・海運の常石グループの地域振興会社、せとうちホールディングス(広島県尾道市)が傘下に立ち上げた。
 尾道市の浮桟橋から、広島・愛媛両県を結ぶ瀬戸内しまなみ海道上空などを巡る約50分の遊覧飛行を1日4~6便。国内外の富裕層が対象で、通常運賃は大人が平日3万2000円。

ワイヤレスイヤホン「AirPods」
優秀賞

ワイヤレスイヤホン「AirPods」

アップル

 米アップルが2016年に投入したスマートフォン「iPhone(アイフォーン)7」でイヤホン用の穴を廃止し、同時に「ブルートゥース」で本体とつなげる無線式の同製品を発表した。持ち運びできる収納ケースが充電器も兼ねる。
 アイフォーンの近くでケースを開くと、数秒で認識され画面にブルートゥース接続を促すメッセージが表示される。手間なくつなげられるうえ、有線式のイヤホンのようにコードが絡まるといった煩わしさがなく、人気を集めている。手元で作業をしていてもイヤホンの存在を気にせず集中できる。

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