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日経優秀製品・サービス賞2011

日経産業新聞賞

最優秀賞(4点)

  • デジタル一眼カメラ「ルミックス DMC-GF3」=パナソニック
    デジタル一眼カメラ「ルミックス DMC-GF3」=パナソニック
    小さくても高性能

    フラッシュ内蔵のデジタル一眼ながら、コンパクトデジタルカメラ並みに小型軽量化したのが大きな特長。本体は幅107.7ミリメートル、高さ67.1ミリ、奥行き32.5ミリで、重さは約222グラム。レンズ取り付け部の構造の見直しや電気回路の高集積化などにより、前モデルの「GF2」と比べ体積を17%、重さを15%減らした。

    丸みを帯びた柔らかいデザインを採用し、気軽にデジタル一眼を使いたい女性やファミリー層の需要を取り込んだ。

  • ワゴンタイプのハイブリッド車「プリウスα」=トヨタ自動車
    ワゴンタイプのハイブリッド車「プリウスα」=トヨタ自動車
    大きくてもエコ運転

    ワゴンタイプのハイブリッド車(HV)として環境車の用途や楽しみを広げた。2011年5月の発売から1カ月間の受注台数は5万台を超え、トヨタ自動車の歴代車種の中で「3代目プリウス」に次ぐ記録を残した。

    従来のプリウスに比べ全長は15センチメートル、全幅は3センチ長いが、燃料1リットル当たり31キロメートル(10・15モード)の低燃費を実現。エンジンモーターの出力とバネ部品の動きを連動させ、車体安定性を高める技術も初めて実用化した。

  • 大規模システム向け外部記憶装置「日立バーチャルストレージプラットフォーム」=日立製作所
    大規模システム向け外部記憶装置「日立バーチャルストレージプラットフォーム」=日立製作所
    データ、利用頻度別に保存

    企業や団体で大量に発生する文書や画像などデジタルデータを保存する。企業などが各種データを使う頻度を自動分析。データを取り出せる速さが異なる3種類の記憶媒体のうち適切な保存先を選ぶ。

    利用頻度の低いデータを高価なソリッド・ステート・ドライブ(SSD)に保存するという無駄が省け、同社の従来機種に比べ導入・運用費を3割減らせる。2010年10月の出荷から11年9月末までに世界で約2000台を販売した。

  • 補助人工心臓「エヴァハート」=サンメディカル技術研究所
    補助人工心臓「エヴァハート」=サンメディカル技術研究所
    装着時も入院不要

    機能が衰えた心臓のポンプとしての働きを補い、体内に血液を送り出す医療機器。テニスボール大で体に埋め込む機器と持ち運び可能な小型の体外バッテリーで構成しており、埋め込み後も患者の外出を可能にした。従来では装着時は入院が必要だったため、大幅に利便性が高まる。時計部品など精密部品製造で培った技術を転用し、加工のすべてを国内で担う。

    ポンプ部に単純な構造を採用して故障しにくくすることで、長期間の使用を可能にした。欧米などへの輸出に向けた準備も進めている。

優秀賞(13点)

  • 自動車用高張力鋼板「ユニハイテン」=JFEスチール
    自動車用高張力鋼板「ユニハイテン」=JFEスチール

    440メガ(メガは100万)パスカル級高張力鋼板でドアやボンネットなどの自動車の外板に使われる。へこみを防ぐ硬さと成型時のゆがみを抑える加工性を両立。強度向上により鋼材使用量を減らし、燃費改善につながる車体軽量化を可能にした。これまでにスズキの軽自動車「MRワゴン」のドアといすゞ自動車のピックアップトラック「D―MAX」のボンネットでの利用実績がある。

    外板は強度を高めれば鋼板使用量も減らせるが、加工は難しくなり滑らかな形状にするのが難しかった。JFEは2つの組織が併存する「二相鋼」と呼ぶ鋼材を使い、加工手法の工夫で実用化に成功。MRワゴンではドアの重さを5~7%軽くできた。

  • スマートフォン用ガラス「ドラゴントレイル」=旭硝子
    スマートフォン用ガラス「ドラゴントレイル」=旭硝子

    スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)や多機能携帯端末(タブレット)などのパネル表面に使う。特殊な組成を開発し、建築物や自動車に使うガラスの約6倍の強度を実現した。ハンマーでたたいても割れない強度と、ガラス特有の美しさが売り物。樹脂製カバーに比べてキズが付きにくく、高級感が出るのが最大のポイントだ。

    まずスマホなど携帯端末用に売り込んでいるが、薄型テレビのカバーガラスとしての用途も見込んでいる。旭硝子は曲げ加工などの技術も開発しており、パネル表面だけでなくスマホの裏面までを包むケースも作れるという。

  • 携帯端末用ワイヤレス充電器「エアボルテージ」=日立マクセル
    携帯端末用ワイヤレス充電器「エアボルテージ」=日立マクセル

    スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)など小型のデジタル機器を、台の上に置くだけで充電する。電気を電磁波に変換して非接触で充電する、「Qi」(チー)と呼ばれる業界標準の規格に対応した国内初の製品。NTTドコモが2011年夏に投入したシャープ製スマホのように、Qi対応製品であれば、メーカーを問わず充電できる。

    米アップルの「iPhone(アイフォーン)」をQiで充電できるようにするためのカバーも別売で用意し、市場を開拓する。充電にかかる時間は2時間半程度とACアダプターの場合に比べて30分ほど長いが、手軽さが最大のメリットだ。充電器の価格は2台のスマホを充電できるモデルが実売で約7000円。1台用も販売している。

  • 照明器具「LEDダウンライト ワンコア(ひと粒)タイプ」=パナソニック電工(現パナソニック)
    照明器具「LEDダウンライト ワンコア(ひと粒)タイプ」=パナソニック電工(現パナソニック)

    光源部分を1つに集積した新開発の発光ダイオード(LED)パッケージを採用。複数の光源を配列した従来製品では光が均一でなかったり、影が多重になったりといった課題があったが、大きく改善した。白熱灯に引けを取らない自然な光を実現し、住宅会社や設計会社などからの評価も高まった。

    実勢価格が従来製品より割安で、ワンコアタイプを選択する顧客が増えているという。住宅用、非住宅用とも品ぞろえを増やす方針だ。

  • 即席ごはん「カップヌードルごはん」=日清食品
    即席ごはん「カップヌードルごはん」=日清食品

    「日清カップヌードル」味の即席ごはん。水を入れてレンジで加熱して調理する。具材や味付けもカップヌードルらしさを再現した。コメは一度炊き上げた後に高温の熱風を吹き付けて乾燥させ、コシのある食感を持たせる加工法を採用している。

    2010年8月に関西で先行発売したが、想定を大幅に上回る売り上げのため販売を一時中止した。静岡工場(静岡県焼津市)に専用ラインを新設して生産能力を5倍に引き上げ、11年7月に全国販売を始めた。11年7~10月の4カ月間で年間販売目標の半分を売り上げた。

  • 小型みそ汁サーバー「椀ショット」=マルコメ
    小型みそ汁サーバー「椀ショット」=マルコメ

    ボタンを押すだけでみそ汁1杯分の液状みそが出てくるサーバー。フリーズドライの具材も用意し、お湯を注ぐだけで手軽にみそ汁が味わえる。家庭でみそ汁を作る人が減り、みそ需要が低迷する中で、最大手のマルコメが「あれば飲む」という潜在需要に着目して開発した。職場でコーヒーを飲むように、みそ汁を飲んでもらうための工夫も凝らした。

    本体だけでなく、具材も3種類そろえたほか、お茶を飲むマグカップとは別の容器が欲しいという声に対応し、一息つける漫画を採用した紙コップも用意した。手軽に始められるタイプは1セット3980円。発売記念の1000社プレゼントキャンペーンでは5000件近い応募があり、販売も順調という。

  • 省エネ住宅「グリーンファースト ハイブリッド」=積水ハウス
    省エネ住宅「グリーンファースト ハイブリッド」=積水ハウス

    太陽電池、燃料電池、蓄電池の3電池を組み合わせた電力供給システムを持つ戸建て住宅。電力消費が少ない昼間は燃料電池の発電でエネルギーをまかない、太陽電池が生み出した電力は売電する。深夜に割安な電力を購入して蓄電池にためる。家庭内エネルギー管理システム(HEMS)で3電池の稼働を制御する世界初の「スマートハウス」として注目されている。

    一般の住宅に比べ年間の光熱費を約26万円削減できる。8.96キロワット時の大容量の鉛蓄電池を導入し、停電時も冷蔵庫と液晶テレビ、照明を約17時間は継続使用可能。災害に強い家として消費者の需要を取り込み、2012年3月までに150棟としていた販売目標を前倒しで達成した。

  • 交流サイト「フェイスブック」=フェイスブック
    交流サイト「フェイスブック」=フェイスブック

    世界で8億人以上のユーザーを抱える交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックによる無料サービス。個人や企業が登録して自らのページをつくると文字や写真、動画などをその都度投稿できる。友人・知人を互いに承認し合うと、「友達リスト」に加わり、常に投稿した最新情報が相手に伝わる。

    日本語版は月間アクティブユーザー(1カ月に1度以上書き込みをした人)の数が2011年9月に立ち上げから約3年で500万人を超えた。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及も追い風。11年6月には現在地情報をもとに近くの店のクーポンを入手できる「チェックインクーポン」を提供するなど、サービスのすそ野を広げている。

  • 軽自動車「ミライース」=ダイハツ工業
    軽自動車「ミライース」=ダイハツ工業

    ガソリンエンジンで燃費性能をリッター30キロメートル(JC08モード)とハイブリッド車(HV)並みにした軽自動車。燃焼効率の高いエンジンや、停車寸前の時速7キロメートル以下で早めにエンジンを止めて燃料消費の無駄を抑えるアイドリングストップ機構を搭載した。車両の軽量化も進め、従来車種「ミラ」に比べて燃費を約40%改善した。

    最低価格は79万5000円と、燃費性能の引き上げと軽自動車ならではの低価格の両立を図ったことも特徴。部品点数の削減や調達ルートの見直しなどで、製造コストを大幅に引き下げた。

    年間販売目標は12万台だが、発売後1カ月で約4万台を受注。軽販売拡大のけん引役を担う。

  • 遠隔画像診断治療補助システム「アイストローク」=富士フイルム
    遠隔画像診断治療補助システム「アイストローク」=富士フイルム

    スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を活用し、脳卒中患者の救急医療を支援するシステム。患者が担ぎ込まれた病院から、あらかじめ登録した外部の専門医のスマホに医療画像などの情報を送り、迅速な診断や治療につなげる。東京慈恵会医科大学(東京・港)との共同研究をもとに開発した。ミニブログ「ツイッター」を利用した情報共有なども可能で、急患対応時の医師間の連携も円滑にできるようにした。東京慈恵会医科大付属病院など4病院で導入されている。

  • 解熱鎮痛薬「ロキソニンS」=第一三共ヘルスケア
    解熱鎮痛薬「ロキソニンS」=第一三共ヘルスケア

    医師の処方箋が必要な医療用医薬品の有効成分を、薬局やドラッグストアなどで買える一般用医薬品(大衆薬)に転用した。頭痛や生理痛、歯痛などに効果がある。従来の大衆薬に比べて効き目が強く、製剤方法を工夫することで胃が荒れるなどの副作用も抑えた。元となった「ロキソニン」は親会社の第一三共の製品で、医療用として20年以上使われている。大衆薬として販売することで病院に行く時間のない働く女性らが薬局などで手軽に購入できるようになった。

  • ばら積み船「ネオ・スープラマックス66BC」=三井造船
    ばら積み船「ネオ・スープラマックス66BC」=三井造船

    船型やエンジンを工夫して燃費性能を2割高めた。三井造船のベストセラーばら積み船「三井の56」の改良型で、積載量を1万トン増やした。2011年7月に国内船主から2隻受注しており、受注競争で先行する中韓勢を追撃する切り札としたい考え。

    運航中に波の抵抗をあまり受けないよう船の前後部の形状を工夫したほか、電子制御方式の最新型エンジンを搭載した。価格は従来型より1~2割ほど割高だが、船主は燃費削減効果により5年ほどで値上げ分を回収できると同社では試算している。

  • 太陽電池「HIT-N240SE10」=パナソニックグループ三洋電機
    太陽電池「HIT-N240SE10」=パナソニックグループ三洋電機

    太陽光を電気に変える効率を高めた。結晶シリコンとアモルファスシリコンを積み重ねた特徴的な構造で、接合部などを新たに改良。セル(発電素子)の変換効率を21.6%まで引き上げた。量産品としては世界でも最高水準という。

    住宅の屋根のように設置面積が少ない場所で、より多くの電気をつくりだせる。同社の従来の高性能品と比較しても、年間の発電量を約5%増やすことが可能になった。高性能品をテコにグローバル市場での拡販を目指す。

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