電力調達価格の急騰、備えあった新電力も 底流 経済 環境エネ・素材 3月5日 寒波や液化天然ガス(LNG)の調達難が重なって引き起こされた1月の電力調達価格の急騰は、自由化によって参入が相次いだ小売事業者(新電力)の淘汰につながりそうな気配を見せている。苦境に陥った新電力の一部は与党も巻き込み、大がかりな救済策を求めたが、所管する経済産業省はつれなかった。新電力の中には価格の変動に備えて対策をとっていた企業もあったからだ。 1月20日午後に自民党本部で開かれた党再生可能エ 電力調達価格の急騰、備えあった新電力も
長引くマイナス金利、綻ぶ「芸術作品」 日銀ウオッチ 経済 金融機関 為替・金利 2月25日 「金利誘導が近い将来うまくいかなくなるのではないか」。最近、市場関係者が懸念の入り交じった視線を向けている指標がある。無担保コール翌日物金利だ。 金融機関が短期の資金を貸し借りする際の代表的な金利で、ここのところ上昇基調にある。直近の1月の平均金利はマイナス0.01%台半ばと約1年ぶりの高水準となった。マイナス金利政策を導入した2016年以来、約5年ぶりの高さも視野に入る。 背景を読み解くうえで 長引くマイナス金利、綻ぶ「芸術作品」
厚労省、次期年金改革へ新試算 コロナで推進力は弱く 経済 2月27日 厚生労働省が2024年ごろに予定される公的年金改革に向けた布石を打ち始めた。少子高齢化による将来の年金給付の先細りを防ぐため、新たな改革案を盛り込んだ試算を示した。基礎年金(国民年金)の財政悪化に対し、厚生年金の財源を充てるなどの案だ。ただ利害関係が複雑に絡まる大きな改革を推進する力が、新型コロナウイルス対策の最前線に立つ今の厚労省にあるかは微妙だ。 公的年金は5年に1度の財政検証をもとに必要な 厚労省、次期年金改革へ新試算 コロナで推進力は弱く
「リフレ派再び」の不意打ち 日銀ウオッチ 経済 金融機関 為替・金利 1月28日 「菅さんはマクロの金融政策にあまり関心がない」「政権との関係は金融緩和を迫った安倍晋三前首相のときが特殊で、これからは通常の姿に戻る」。2020年9月に菅義偉政権が発足したころ、日銀内で聞いた声だ。新型コロナウイルス対応や地銀再編などで協調姿勢を示せば、政権に攻め込まれることはない。そんな雰囲気だった。 こうした日銀の期待を吹き飛ばすような人事案が21日、国会に提示された。3月末に任期を満了する 「リフレ派再び」の不意打ち
達成確率35% 内閣府GDP見通しに政府内も半信半疑 底流 経済 2月19日 「2021年度中には新型コロナウイルス禍前の経済水準を回復する」。内閣府が20年の実質国内総生産(GDP)が過去2番目の大幅な落ち込みだったと発表した15日、西村康稔経済財政・再生相は記者会見で訴えた。 内閣府が20年末に示した21年度のGDP成長率見通しは4.0%。実現すれば比較可能な1995年度以降で最高となる。2回目の緊急事態宣言による落ち込みの反動への期待やワクチン接種開始などの明るい材 達成確率35% 内閣府GDP見通しに政府内も半信半疑
「伝家の宝刀」は機械を切れるか 日銀ウオッチ 経済 1月14日 「為替をはじめ金融市場急変のリスクには注意が必要だ」。日銀が2020年12月に開いた金融政策決定会合で円高が議論になった。21年に入ると外国為替市場で一時1ドル=102円台半ばまでドルに対して円高が進み、警戒感はさらに高まった。米国の長期金利上昇に伴い、いったん1ドル=104円台まで戻したもののドル安懸念は強い。 円相場の節目と意識されるのは1ドル=100円。近づくたびに大量の円売り・ドル買いで 「伝家の宝刀」は機械を切れるか
ポストコロナの世界経済は「中国・アジアがけん引役に」 経済 中国・台湾 3月8日 新型コロナウイルスは世界の秩序や経済を大きく揺さぶった。香港を拠点にグローバルに投資する第一東方投資集団の諸立力(ビクター・チュー)会長に今後のアジア経済を展望してもらった。 ――コロナワクチンの接種が始まりました。 「ポストコロナの世界を現実的に考えられる段階になってきた。だが、まだ危機管理モードで、世界経済は非常に脆弱だ。コロナの傷を癒やすのには時間がかかる」 「所得格差の拡大や経済のデカッ ポストコロナの世界経済は「中国・アジアがけん引役に」
日本企業のM&Aに勢い 欧米の技術に照準 小平 龍四郎 経済 編集委員 3月2日 日本企業がM&A(合併・買収)に積極的になっている。買収によって企業が成長力を高めれば、不安定さを増す株式相場を支える要因にもなる。日本のM&Aの展望を、ゴールドマン・サックス証券の持田昌典社長に聞いた。 ――ここ数年、日本企業関連のM&Aは年間20兆円程度の高水準で推移してきました。この趨勢は2021年も続くでしょうか。 「続くだろう。日本におけるM&Aの広がりは始まったばかり 日本企業のM&Aに勢い 欧米の技術に照準
「文科省がうるさく言う」 森氏失言の深層に古びた意識 Tokyoオリパラ 霞が関エックス線 大林 尚 2月24日 「なかなか見つからないんですよ、いい女が」。こう聞かされたのは、小泉政権末期と記憶しているので2005年ごろだったと思う。ある中央官庁の局長室で取材を終え、席を立ちかけたときだった。局長は「どこをあたればいいですかねぇ」と続けた。 彼は所管する審議会委員の人選に悩んでいた。政府の男女共同参画推進本部が06年3月末までのできるだけ早い時期に、審議会委員の女性割合を30%に高める目標を定めたのは00 「文科省がうるさく言う」 森氏失言の深層に古びた意識
広がるか、お薬購入「第3の選択肢」 密回避で追い風 吉田 ありさ 編集委員 Nikkei Views 2月18日 「処方箋がなくても病院の薬が買える」。2月8日、JR西国分寺駅(東京都国分寺市)のホームにこんな看板を掲げた薬局がオープンした。 セルフケア薬局nonowa西国分寺店。通常は病院に行き、診察を受けて処方箋をもらってから薬局で買う薬を、ここでは薬剤師と相談して直接買える。オンラインで予約し、事前に問診を済ませれば、所要時間10分足らず。勤め帰りに立ち寄ったという男性は「通院を理由に半日休みをとらず 広がるか、お薬購入「第3の選択肢」 密回避で追い風