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高温ガス炉

高温ガス炉の概要

次世代の原子炉の一つである「高温ガス炉」に関するビジネステーマ

高温ガス炉の用語の定義

高温ガス炉とは、原子力発電の次世代の原子炉の一つ。熱源として炭化ケイ素(SiC)と炭素の層からなる熱に強いセラミックスで被覆された核燃料を用いる。1600℃の高温でも放射性物質を閉じ込め、冷却に水ではなくヘリウムガスを使用するため、地震やテロなどで電源喪失の状態になっても炉心溶融や水素爆発の心配がないとされる。ガスタービンを回して発電すると同時に、900度前後の高温の蒸気を水素製造や海水淡水化、地域暖房などに利用することも可能。

高温ガス炉の背景

原子力発電の既存の大型炉はCO2を排出しない点やベースロード電源を担える点でメリットがあるが、柔軟な出力制御が難しいため地震などの自然災害やテロに遭遇した場合、安全性に課題がある。その点、高温ガス炉は電源喪失の状態になった場合でも、冷却に水ではなくヘリウムガスを使用するため水素爆発の恐れはなく、1600℃の高温でも放射性物質を閉じ込めるため既存の大型炉に比べて制御しやすい。そのため、次世代の原子炉の一つとして期待されている。

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高温ガス炉に関連するビジネステーマ

小型原子炉
小型原子炉とは、出力30万キロワット以下と従来型原発の100万キロワット超に比べて3分の1程度の出力の原子力発電の原子炉のこと。小型モジュール炉とも言う。高温ガス炉とともに次世代の原子炉の一つ。
革新軽水炉
革新軽水炉とは、既存の沸騰水型軽水炉(BWR)や加圧水型軽水炉(PWR)をベースとし、安全機能を高めて設計開発される原子力発電の原子炉のこと。高温ガス炉とともに次世代の原子炉の一つ。
核融合発電
核融合発電とは、核融合反応による発電技術のこと。燃料に重水素と三重水素(トリチウム)を利用する。地震やテロなどで電源が失われた場合に既存の原子力発電は制御に課題があるが、核融合発電は電源が喪失した場合、核融合反応も止まるメリットがある。

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