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地熱発電

地熱発電の概要

再生可能エネルギーの一つである「地熱発電」に関するビジネステーマ

地熱発電の用語の定義

地熱発電とは、地下のマグマで熱せられた蒸気や熱水を利用してタービンを回し発電する技術のこと。200℃以上の蒸気を利用するフラッシュ方式と、概ね150℃以下の熱水と蒸気を利用するバイナリー方式がある。2020年の発電設備容量の降順に、米国、インドネシア、フィリピン、トルコ、ケニア、ニュージーランド、メキシコ、イタリア、アイスランド、日本などの国で地熱発電所が稼働している。

地熱発電の背景

日本の地熱資源量は米国、インドネシアに次ぎ世界第3位の約2300万kWであるが、稼働中の地熱発電所の発電設備容量は第10位の60万kWにとどまる。太陽光や風力と異なり、天候に左右されることなく安定した発電が可能な地熱はベースロード電源を担える。ただ、発電後の熱水も利用できる利点がある一方、発電設備や送配電網の整備に時間とコストがかかることから投資リスクの軽減や地域との共生を図っていく必要がある。

地熱発電のニュース記事検索

地熱発電に関連するビジネステーマ

フラッシュ発電
フラッシュ発電とは、マグマによって熱せられた200℃以上の高温・高圧化の蒸気を直接利用してタービンを回し発電する技術のこと。地熱発電のしくみの一つ。日本ではフラッシュ発電が主流。
バイナリー発電
バイナリー発電とは、地熱由来の概ね150℃以下の熱水や蒸気と、水よりも沸点の低い媒体との間で熱交換した際に発生した蒸気でタービンを回し、発電する技術のこと。地熱発電のしくみの一つ。熱水の温度が150℃以下だと、そこから分離した蒸気では直接タービンを回すことができないために考案された発電方法。地熱発電の可能性を拡げる技術として期待される。また、バイナリー発電した後に、温度の下がった熱水を浴用などに利用する取り組みは、入湯料金に加え温泉発電などの利益も見込めるため温泉地などで注目されている。
地中熱ヒートポンプシステム(GSHP:Ground Source Heat Pump)
地中熱ヒートポンプシステムとは、一定の温度を保つ地中熱を利用した冷暖房装置のこと。外気温に比べ、夏は15~20℃低く、冬は逆に10~15℃高い地中熱を利用することで少ない電力で冷暖房でき、冷暖房費の節約とCO2排出量の削減につながる。地中熱は地熱発電と同様に再エネのひとつ。欧米では1940年代後半から利用されている。国際エネルギー機関(IEA)の2020年アニュアルレポートによると、欧州では2019年末時点で200万台が導入されている。日本でも北海道などの寒冷地において利用されているシステム。
CO2地熱発電
CO2地熱発電とは、二酸化炭素(CO2)を熱媒体として利用した地熱発電のこと。熱媒体として水(水蒸気)の代わりに高温のCO2を用いて発電する。

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地熱発電の関連企業

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住友商事株式会社
全世界に展開するグローバルネットワークとさまざまな産業分野における企業・消費者との信頼関係をベースに、多様な商品・サービスの国内販売、輸出入...

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安倍晋三40
アフリカ地熱開発を支援 政府、技術・資金供与

...【図・写真】ケニア政府は地熱発電の拡大を計画している(オルカリアの地熱発電所)...

2016年8月20日 日本経済新聞電子版ニュース 1371文字
菅義偉12
小泉進次郎環境相/地熱発電所開発を加速/開発案件倍増めざし促進区域設定

... 小泉進次郎環境相は27日の閣議後会見で、地熱発電所の開発を加速すると表明した。環境省が促進区域の設定や地熱発電ポテンシャルが高い地域の調査・特定などに取り組み、稼働までに必要な期間を十数年から8年に...

2021年4月28日 日刊建設工業新聞 350文字