海洋濃度差発電

海洋濃度差発電に関するビジネステーマ

海洋濃度差発電（SGP：Salinity Gradient Power）とは、海の塩水と河川の淡水の塩分の濃度差を電気エネルギーに変換する発電方式のこと。発電方法は、浸透圧発電（PRO：Pressure-Retarded Osmosis）と逆電気透析発電（RED：Reverse Electro-Dialysis）の２つに分けられる。 浸透圧発電の場合は、塩水と淡水を半透膜で仕切ると淡水は塩水側に浸透する特性を利用して、その際、生じる圧力を使って水車やタービンを回し発電する。 逆電気透析発電の場合は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜の間に海水が流れるようにした装置の両電極に電圧をかけて淡水化する電気透析とは逆に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜の間に互い違いに海水と淡水が流れるようにした装置の両電極に電圧をかけ、海水のイオン分子が淡水に移動することで発生するエネルギーを利用して発電する。

CO2排出量の削減に寄与する再生可能エネルギーのひとつとして期待されている。また、太陽光発電や風力発電と比べて、海洋濃度差発電は天候による影響を受けないため発電量を予測しやすいメリットがある。 日本では、水処理機械の協和機電工業(長崎市)が下水処理場から放出された下水処理水と海水淡水化装置で生産された濃縮海水の濃度差を利用する発電システムを開発している。