ロシア撤退・縮小(金融)

ロシアのウクライナ侵攻への対抗措置として、欧米や日本はロシアに対する経済・金融制裁を行っている。具体的には、各国の中央銀行に蓄えてあるロシアの外貨準備の凍結やロシアへの輸出入規制、最恵国待遇の取り消し・撤回、ロシアの特定の銀行に「国際銀行間通信協会（ＳＷＩＦＴ）」からの排除などを科している。国際決済に欠かせないインフラの利用が制限されたことで、ロシアの銀行を経由したカネの動きは著しく制限された状況になっていると見られる。その一方で、日米欧の金融機関によるロシア向け債権の損失リスクが高まっている。

経済・金融制裁の影響により、日米欧の金融機関によるロシア向け債権で損失リスクが高まっている。それに加え、ロシア関連の債券残高はエネルギー事業への融資が中心となっていることから、エネルギー関連の動向にも注目が集まっている。また、制裁を踏まえて欧米企業は相次いでロシア事業の縮小・撤退の動きが加速している。新規融資を事実上、凍結するなどロシアビジネスそのものに対して根本的な見直しに発展する可能性も高まっている。（2022年4月７日時点）