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生分解性プラスチック

生分解性プラスチックの概要

自然界の微生物の働きで水とCO2に分解される性質をもつ「生分解性プラスチック」に関するビジネステーマ

生分解性プラスチックの用語の定義

生分解性プラスチックとは、プラスチックとして使用することができ、使用後に微生物の働きで水とCO2に分解され自然に還る性質をもつプラスチックのこと。バイオマス由来のものや、化石由来のもの、双方を原料とした生分解性プラスチックがある。かつては生分解過程で環境面に左右されマイクロプラスチックとして残ってしまう課題があったが、自然の土壌や海水環境でも完全に生分解されるプラスチックが開発・実用化されている。

生分解性プラスチックの背景

海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化の課題に対応するために、政府は「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」を令和4年4月1日より施行する。環境の整ったコンポストや自然界の土壌で生分解できるものに加えて、海水中の生分解も可能なものも開発されており、海洋プラスチックごみ問題を解決する手段として注目される。一方で、生分解性プラスチック100%をうたっていながら非分解性の石油由来プラスチックを混ぜたものや、添加剤を混ぜた生分解性プラスチックとして認められていない「酸化型分解性プラスチック」、生分解しないのに「生分解性プラスチック」と偽装表示されたものが市場に出まわるケースがあるなど、事業者・消費者ともに正しい理解が求められる。また、正しい分別回収なくして生分解性プラスチックの機能を生かすことはできないため、事業者・消費者への啓発も必要である。

生分解性プラスチックのニュース記事検索

生分解性プラスチックが解決する課題

海洋プラスチックごみ問題,カーボンニュートラル,諸外国の廃棄物輸入規制強化,廃棄物削減

生分解性プラスチックに関連するビジネステーマ

バイオプラスチック
バイオプラスチックとは、環境に対する負荷を削減できるプラスチックのことで、「バイオマスプラスチック」と「生分解性プラスチック」の総称である。
バイオマスプラスチック
バイオマスプラスチックとは、植物など再生可能な有機資源の原料を科学的に合成して製造されたプラスチックのこと。植物由来の原料からつくられたプラスチックのためカーボンニュートラルと見なされる。
生分解性プラ識別表示制度
一般消費者への正しい理解と普及を目的として、日本バイオプラスチック協会(JBPA)が、生分解性と環境適合性の基準を満たした製品に対して「生分解性プラ」・「生分解性バイオマスプラ」マークの名称の使用を認める制度のこと。
生分解性プラスチック認証
ISO規格、EN規格、ASTM規格等の国際標準規格に則った認定基準を満たす生分解性プラスチックに対して認証するシステムのこと。生分解性プラスチック事業をグローバル展開する際には、適切な認証を得る必要がある。例えば、カネカは日本の認証機関に加えて、墺TUEV AUSTRIA BELGIUM NV/SAや米BPIからも認証を得ている。

生分解性プラスチックに関する法規制

プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律
海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化の課題に対応するために、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が令和4年1月19日に公布、4月1日より施行される。詳細は環境省サイトへ。

生分解性プラスチックのレポート(最新10件)

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2003年2月3日 日経産業新聞 1398文字