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EVトラックの概要

EVトラック(電気トラック)に関するビジネステーマ

EVトラックの用語の定義

EVトラックとは、電気モーターを動力源とするトラックのこと。ガソリン車やディーゼル車に比べて環境負荷が少なく、CO2排出量の削減に寄与する。

EVトラックの背景

EVトラックは同じ積載量のガソリン車やディーゼル車と比べて航続距離の短さや車両コストの高さ、EVトラック向け充電インフラの未整備といった課題はあるものの、CO2などの温室効果ガスを排出しないという利点がある。そのため、国内ではCO2排出量の削減を目標に掲げる配送や引っ越しを担う物流企業などで導入され始めている。 また、米国や欧州では、CO2を排出しないゼロエミッション車の市場比率を高める目標を掲げたり、規制をかけたりすることで自動車が排出する温室効果ガスを削減する取り組みが進められている。

EVトラックのニュース記事検索

イケア サステイナビリティーの取り組み報告 総フットプリント前年比5%減、リサイクル素材使いも拡大...FY17比で輸送トン・キロメートルが12%増加しているのに対してクライメートフットプリントはCO2換算で8%減少、FY21比では4%減少した。今後、トラックを電気トラックに...2023年6月6日 繊研新聞 1145文字
独ダイムラー、トヨタと提携 背景に脱炭素「両にらみ」...するタイプが不明であることからEV・FCV双方の研究開発に力を入れ続けており、実用化では先行している。 大型EVトラックでは、電動トレーラーと組み合わせれば、1回の充電で...2023年6月3日 日本経済新聞電子版 1435文字
日野・三菱ふそう統合 ダイムラー、「あと16年」で決断...含めた4社の総合力が問われることになる。 (シリコンバレー=山田遼太郎) 【図・写真】ダイムラートラックのEVトラック「eアクトロス」=ロイター 【図・写真】記念写真...2023年6月1日 NIKKEI Mobility 2656文字

EVトラックが解決する課題

CO2排出量削減

EVトラックに関連するビジネステーマ

EV向け無線給電EV向け無線給電とは、充電ケーブルを使用することなく無線で電気自動車(EV)に電力を伝送する技術のこと。EVが無線充電スポットに停車して給電する方式のほか、研究開発の段階ではあるが走行しながら無線給電する方式がある。後者は「充電道路」とも呼ばれる。車両重量が重く大型電池を搭載するEVトラックは充電に時間を要するが、充電道路の上を走行しながら電力を補充し続けられれば、充電のための停車時間を削減し、航続距離の向上にもつながる。
バーチャルフリートバーチャルフリートとは、運送会社や物流会社が貨物トラックを自社で所有せず、需要に応じてシェアすること。デジタルプラットフォームを活用して、貨物トラックの需要やルートに基づいてマッチングすることで、空きのあるトラックを有効活用する。車両の購入費やメンテナンス費の削減できる。
欧州のCO2排出規制の改正案欧州では欧州連合(EU)が2021年7月に発表した「fit-for-55 政策パッケージ」の中で、2030年までに温室効果ガスを1990年度比で55%以上削減する目標を掲げる。その削減策の一つとして欧州委員会は23年2月に、欧州で排出される温室効果ガス全体の約6%を占める大型トラックやバスに対するCO2排出規制の改正案を公表した。新規登録のトラック・バスに対してCO2排出量を19年と比べて30年時点では45%減、35年時点では65%減、40年時点では90%減らすよう提案している。(2023年3月調査)
米国のZEV移行戦略2021年8月のクリーンな乗用車とトラックの普及強化を目的とした大統領令を受けて環境保護庁(EPA)は22年12月に27年モデル以降の大型車に対して窒素酸化物の排出量を45年までに48%削減する基準を採択した。 州レベルでは、カリフォルニア州が18年12月にバスを、20年6月には大型長距離トラックをそれぞれ45年までに可能な限りZEV(ゼロエミッション車)に100%移行することを決めた。 20年7月にはニューヨーク州やカリフォルニア州など14州およびワシントンDCが、トラックやバスなどの中・大型車に対してZEVの比率を加速させる目標を掲げた。ZEVには電気自動車(BEV)のほか、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)が含まれる。30年までにZEVの新車販売比率を30%、50年までに100%を目指す。 さらに、ニューヨーク州は21年12月、車両総重量が8500ポンド超の中・大型トラックのメーカーに対して25年モデルからZEVの販売比率を増やすことを求めている。45年までに100%ZEVにする目標も掲げる。
EVバスEVバスとは、電気モーターを動力源とするバスのこと。EVバスをめぐっては海外メーカーの攻勢が目立つ。中国のEV大手のBYDは日本市場に参入し販路を既に拡大、2030年までに電動バスで累計4000台の販売を目指すとしている。日本勢ではいすゞ自動車と日野自動車の合弁会社でバス製造を手掛けるジェイ・バスが2024年度からEVの路線バスの生産を開始する。(2023年3月調査)
軽商用EV軽商用EVとは、電気モーターを動力源にする商用の軽自動車のこと。物流企業における脱炭素化の流れが加速しており、商用でのEVの需要が急速に高まっている。佐川急便は、中国EVメーカーの広西汽車集団傘下の五菱新能源の小型商用EVの導入を決定。佐川は現在保有する軽自動車7200台を2030年までに軽商用EV切り替えるという。 三菱自動車は生産終了していた軽商用EVを2022年11月に再開した。ホンダは2024年前半にも100万円台の新型軽EVを市場投入する方針。 (2023年3月調査)

EVトラックの関連業界

業界名分類概要業界内の企業
引っ越しサービス引っ越し請負サービスを主要業務として展開する。
宅配便宅配便サービスを主要業務として展開する。
企業向けトラック輸送トラックによる貨物輸送サービスを主要事業とする。冷凍、冷蔵、チルド等の貨物輸送サービスを含む。

EVトラックの関連企業

企業名業界概要
日野自動車株式会社トラック・バス・小型商用車・乗用車(トヨタ自動車よりの受託車)・各種エンジン・補助部品等の製造・販売
いすゞ自動車株式会社トラック・バス・乗用車用ディーゼルエンジン・産業用ディーゼルエンジン・補給部品等の製造販売
三菱ふそうトラック・バス株式会社

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九州・沖縄地方
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いすゞ、堅調株価に水差すテスラの商用車参入証券部 福井環...【図・写真】いすゞは2018年、小型トラック「エルフ」をベースにしたEVトラックを投入する...2017年12月13日 日本経済新聞電子版 1349文字
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