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デジタルフォレンジック(電子鑑識)

デジタルフォレンジック(電子鑑識)の概要

パソコンやスマホに残った不正履歴を見つけ出す「デジタルフォレンジック」に関するビジネステーマ

デジタルフォレンジック(電子鑑識)の用語の定義

デジタルフォレンジック(電子鑑識)とは、システムやソフトウェアなどへの不正アクセスやサービスへの妨害行為、データの破壊、意図しない情報開示などといった不正が発生した際に電磁的記録の証拠保全や改ざん・毀損などの分析を行う科学的調査手法および技術のこと。「フォレンジック」とは法廷や科学捜査といった意味を持つ。社内の不正漏洩の証拠保全のほかに、企業会計の不正解明やサイバー犯罪の捜査にもデジタルフォレンジックの技術が活用されている。具体的にはメールやパソコンおよびスマホから収集した操作履歴をAIで解析し、不正な情報の持ち出しや漏洩などの証拠を見つけ出し保全する。この技術を用いた調査や訴訟支援および電子証拠開示対応などを行うサービスのことをデジタルフォレンジックサービスという。当該企業コレクションでは、経済産業省が策定した「情報セキュリティサービス基準」に適合するとして紹介されているデジタルフォレンジックサービス企業を扱う。

デジタルフォレンジック(電子鑑識)の背景

企業の関係者による秘密情報の漏洩防止に経営課題として取り組む重要性が高まっている。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「企業における営業秘密管理に関する実態調査2020」によると、営業秘密の漏洩があった企業の漏洩経路は、中途退職者(役員・正規社員)による漏洩が36.3%、現職従業員などの誤操作および誤認などによる漏洩が21.2%、現職従業員などのルール不徹底による漏洩が19.5%、現職従業員などによる金銭目的など具体的動機による漏洩が8.0%と報告されている。(因みにサイバー攻撃などによる社内ネットワークへの侵入による漏洩は8.0%)このような漏洩の対処手法としてデジタルフォレンジックが注目されている。もとは不正が発生した後に利用される技術であるが、AIの発展により、データ分析がリアルタイムで可能になったことから、内部不正の検知や防止といった側面での利用も増える。最近は在宅勤務で上司の目が届きにくくなっていることもこうした需要を後押しする。こうした技術は情報漏洩を未然に防ぐことにつながる一方、社員を常時監視している点に倫理的な懸念の声もある。

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デジタルフォレンジック(電子鑑識)に関連するビジネステーマ

組織における内部不正防止ガイドライン
「組織における内部不正防止ガイドライン」は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開する内部不正対策のガイドライン。2022年4月6日に第5版を発行した。具体的な対策方法を示したExcelファイル「内部不正チェックシート」も活用できる。
警察のサイバー捜査におけるデジタルフォレンジック
警察は犯罪に使われたデバイスの不正履歴の分析にリーガルテックのような民間企業に委託するケースもあるが人材育成にも力を入れている。例えば愛知県警察はNTTデータからデジタルフォレンジックのノウハウの提供や教育機会を得ている。また、国際刑事警察機構(インターポール)はサイバーセキュリティ対策の分野で提携するNECやグループ会社のサイバーディフェンス研究所からフォレンジック調査に関する技術提供を受けるなどサイバー捜査能力の底上げを図っている。

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2020年4月8日 日経ビジネス電子版 1811文字