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車載向けリチウムイオン電池

車載向けリチウムイオン電池の概要

モーターで駆動する自動車に搭載する「車載向けリチウムイオン電池」に関するビジネステーマ

車載向けリチウムイオン電池の用語の定義

電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)などモーターで駆動する自動車に搭載するリチウムイオン二次電池のこと。既存の二次電池の中でも、エネルギー密度が高く、大容量であることから走行距離を伸ばすことができるため、現在の車載用電池の主流となっている。

車載向けリチウムイオン電池の背景

世界的な脱炭素政策が追い風となり、温暖化ガスを排出しないEVの普及に各国とも力を入れている。それに伴い、車載向けリチウムイオン電池の需要も拡大すると見込まれる。 一方で、生産コストが課題だ。車両全体の製造原価の4割を占めるといわれる。原料にリチウムやコバルトといったレアメタル(希少金属)を使うため、地政学的リスクが起きた場合、供給が滞る可能性や需要増による価格上昇でさらなる電池のコスト増になる懸念がある。

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車載向けリチウムイオン電池が解決する課題

地球温暖化抑制

車載向けリチウムイオン電池に関連するビジネステーマ

リチウム電池リユース・リサイクル
リチウム電池リユース・リサイクルとは、使用済みリチウムイオン電池を再活用するサーキュラー型ビジネスのこと。
ナトリウムイオン電池
ナトリウムイオン電池(NIB)とは、電解質中のナトリウムイオンが電気伝導を担う二次電池のこと。原料となるナトリウムは、海水中に大量に含まれるため供給面で地政学リスクの不安がない。 現状ではリチウムイオン電池よりもエネルギー密度が低くEVに向かないとの見方が多い。NIBを巡っては中国EV用電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が2021年7月、商用化を発表している。本格的な量産は2023年以降を見込む。
LFP電池
LEP電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)とは、正極側にリチウム(Li)・鉄(Fe)・リン(P)を材料として利用したリチウムイオン二次電池の一種。コバルトとニッケルを使わずに安価に作れるため既に実用化され、独フォルクスワーゲンやテスラなどで採用されている。
ニッケル水素電池
ニッケル水素電池とは、正極にニッケル酸化化合物、負極に水素または水素化合物を用いた二次電池のこと。「バイポーラ(双極)型電極」と呼べれる負極と正極を一体にした集電体を用いたバイポーラ型ニッケル水素電池は、負極と正極が一体になることでコンパクトな構造となり高いエネルギー密度が実現できるとされる。 トヨタ自動車は2021年にバイポーラ型ニッケル水素電池を搭載した小型ハイブリッド車「アクア」を、2022年には、ハイブリッド車の新型クラウンの販売を開始した。
EV
EV (Electric Vehicle)とは、電気モーターを動力源として動く自動車全般のこと。モーターに電気を供給するための車載用電池も基幹部品のひとつ。 EVには、電気だけで走行するBEVと水素を燃料としてモーターを回す燃料電池車(FCV)のほか、ガソリンエンジンとモーターの双方を使うハイブリッド車(HV)やプラグインハイブイリッド車(PHV)もある。
自動運転
自動運転とは、車の運転を人に代わって自動運転システムがおこなうこと。自動運転機能のレベルに合わせて、レベル0(自動化なし)からレベル5(完全運転自動化)まで分類される。 現在、高速道路など一定の条件下でアクセルやブレーキ、ハンドルなどを運転手に代わって操作する「レベル3」まで実用化が進んでいる。ホンダが2021年に「レベル3」に対応した「レジェンド」をリース限定で販売したほか、独メルセデスベンツ・グループは、2023年後半に米国で「レベル3」のシステムを実装した車の販売を開始する予定(2023年1月時点)。
全固体電池
全固体電池とは、リチウムイオン電池の正極と負極の間にある電解質に液体ではなく固体を使った電池のこと。難燃性や耐熱性に優れ、従来のリチウムイオン電池に比べ、発火の危険性が少ない。また、エネルギーを蓄える性能が高くEVの走行距離を伸ばすことができる。

車載向けリチウムイオン電池に関する法規制

消防法
リチウムイオン電池は液漏れや発火などの心配があるため、消防法上の第4類第二石油類に該当する。そのため、指定数量を超える貯蔵や取り扱いには、危険物の規制に関する政令別表第三に則った施設で行うことが求められている。 消防庁からは、リチウムイオン電池に係る現行の消防法令の基準が示されている。

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2021年3月31日 日経クロステック 6039文字