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エドテック

エドテックの概要

Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせ、教育分野でデジタル技術を活用する「エドテック」に関するビジネステーマ

エドテックの用語の定義

エドテックとは、AIやビッグデータなどのテクノロジーを使って教育のデジタル化を推進し、教育にイノベーションを起こすこと。時間や場所の制約がなく、双方向かつ個々人の理解度に合わせた学習を可能とする。経済産業省の「学びと社会の連携促進事業費補助金(EdTech導入補助金)」では、学習データなどを教職員と児童・生徒が共有する「学習管理・授業支援」、オンライン学習や遠隔授業サービスなどの「学習支援コンテンツ・サービス」、特定教科にとどまらない「発展的な学び」、「校務支援ツール」、学校と児童・生徒や保護者との連絡のための「コミュニケーションツール」、ITを活用した「教職員向け研修」を補助対象としている。 エドテックが活用される分野は、義務教育などの「学校教育」と、それ以外の学習塾や語学学校、自己啓発など「学校外教育」に大きく分けられる。両者とも個々人に合ったきめ細かい対応による教育の質の向上のほか、テキストのペーパーレス化や教員の負担軽減による労働時間の短縮など各種コストの低減も期待できる。

エドテックの背景

野村総合研究所では、国内のエドテック市場(ハードウエアを含まず)は2021年度の2674億円から27年度には35.5%増の3625億円になると予測する。内訳は教科学習などのコンテンツが2524億円、学習プラットフォームや支援ツールが652億円。特に学校外教育の分野は参入障壁が低いため、これまで教育関連ビジネスを手がけていなかった企業が事業領域拡大のために新規参入するほか、スタートアップの参入も目立つ。また、米アマゾンは学習コンテンツ開設のためのプラットフォームを提供する。 米調査会社ホロンIQによるとエドテックへの世界の年間支出額は25年に4040億ドルになると予測する。ボストン・コンサルティング・グループのレポートによると、世界の有力エドテック企業は米国、英国、中国に集中している。 国内市場はまだ発展途上。学校教育分野は今後、少子化の影響が出てくるものの、「リカレント教育」や社会人の学び直しによる生産性向上を目指す「リスキリング」が注目を集めるなど学校外教育分野は高い需要が見込まれる。国内市場の拡大にはWi-Fi普及促進などIT環境の整備が指摘されている。

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エドテックが解決する課題

教員の労働環境の改善,教員不足の改善,学習機会の拡大,教育の地域格差の改善,不登校児童・生徒への学習機会の確保,スムーズな情報共有による教育現場と児童・生徒、保護者との連携強化,従業員のスキルアップ,ペーパーレスなど省資源化の推進

エドテックの鍵となる技術

サイバーセキュリティー
学校教育でエドテックを利用する場合、児童・生徒の個人情報保護を担保することは何よりも重要になってくる。また、不正アクセスによる成績の改ざんなども防ぐ必要がある。

エドテックに関連するビジネステーマ

GIGAスクール構想
政府はICT(情報通信技術)の教育分野への導入施策を強化。2019年12月に閣議決定した総合経済対策に、義務教育の子どもにパソコンやタブレット端末を1人1台もたせることや高速ネットワーク環境の整備を掲げた「GIGAスクール構想」を盛り込んだ。20年に入ると新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休校となり、リモート学習の必要性が高まる。そのため、同構想を前倒しで進めた結果、21年7月時点で全国の公立小学校の84.8%、公立中学校の91.3%が全学年で利用を開始。公立高校でも24年度までに全学年で1人1台の環境が整う見込み。エドテックの普及を後押しする。
教育指導要領
小学校~高校での教育課程は学習市場要領で定められている。2017年と18年に公示された新しい学習指導要領で20年度から小学校でのプログラミング教育の必修化、21年度には中学校でのプログラミング教育の拡充、22年度からは高校での「情報1」が必履修科目となった。政府が学校教育の場で、ICT教育を進める一方でIT知識を持つ教員不足が問題となっており、この解決にもエドテックの活用が考えられる。一連の政府のICT教育の推進の動きを背景に、エドテックの将来性に期待が高まっている。
アダプティブラーニング
過去の学習履歴を蓄積・分析し、学習方法を個々人に最適化した学習方法。エドテックの特徴の一つ。
大規模公開オンライン講座とは、大学や団体、企業などが提供し、ネット上で誰でもいつでも受講できる講座のこと。MOOC(Massive Open Online Course)とも呼ばれる。代表的なエドテックの一つ。
学習管理アプリとは、受講者の学習記録や管理ができるアプリのこと。教員主体型と学習者主体型に分けられる。代表的なエドテックの一つ。
オンライン英会話とは、専用アプリなどを使い、対話形式で英会話を学べるサービス。代表的なエドテックの一つ。
校務支援システムとは、教員による児童・生徒の成績管理や出欠管理などの作業軽減や学校事務の処理を効率化できるシステムのこと。代表的なエドテックの一つ。
プログラミングスクールは、各種プログラミング言語を習得できる教室。学習指導要領の改訂で小中高校でのプログラミング授業が必修となったことで注目が高まっている。
リスキリング
時代の潮流に合わせ、社会人が新たなスキルを身につけたり、すでに身につけたスキルをブラッシュアップしたりして「学び直し」することをリスキリングという。企業や官公庁でも個人の生産性向上を図るため、従業員のリスキリングに力を入れる。働きながら、隙間時間に学ぶため、エドテックとの親和性が高い。
VR(Virtual Reality:人工現実感、仮想現実)とは、専用のゴーグルで視界を覆い、360°の映像をそこに映し出すことによって、あたかもその空間にいるような感覚を得ることができる技術のこと。VRの活用で、遠隔地の博物館や美術館などを疑似体験できるほか、将来的には、遠隔地の人々と一緒に実験作業できる可能性がある。

エドテックに関する法規制

著作権法
著作権法第35条によると、学校などの教育機関での授業目的の著作物の利用においては、著作権者の許可が不要となっている。こうした規定はインターネットでの教育サービスの提供を前提にしていなかったが、2018年の著作権法改正でオンデマンド型を含むオンラインでの授業についても、対面授業と同じくこの特例措置が適用されることになった。ただしMOOCについては、営利性が高いなどの理由から第35条における「授業目的の利用」と認められる範囲を超えると認識され、そのため他者の著作物を利用する際には著作権者の許諾が必要であるとの解釈が一般的である

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2021年6月8日
日本経済新聞電子版