競馬・競輪場

業界プレーヤーの主な事業領域は地方競馬、競輪、オートレースで、いずれも自治体や自治体で構成される一部事務組合が主催する。各社は主催者に競馬場などの施設を貸して使用料を徴収するほか、馬券や車券などの場外販売場の運営による業務手数料などを得ている。
競馬は地方競馬と、政府が全額出資する特殊法人の日本中央競馬会（ＪＲＡ）が開催する中央競馬がある。中央競馬が行われる全国１０カ所の競馬場のうち、自治体も出資する第三セクターの名古屋競馬が所有する中京競馬場以外はＪＲＡが所有。地方競馬が行われる競馬場は全国に１５カ所あり、自治体・一部事務組合、民間が所有する。(2023/03/23調査)

競馬の市場規模拡大には、日本中央競馬会が２００２年に導入したインタ―ネット投票（馬券購入）の利用者増加が大きく貢献している。特に、１２年１０月から始まった中央のネット投票会員を対象とした地方競馬の勝馬投票（馬券購入）が好調だ。「南関東４競馬場在宅投票システム（ＳＰＡＴ４）」では、浦和、船橋、大井、川崎の南関東の４競馬場をはじめ、ほとんどの地方競馬の馬券がインタ―ネットまたは電話経由で購入でき、利用者が増えている。地方競馬全国協会によると、地方競馬の全競馬場（１５カ所）の２２年の売上高合計のうちインターネット・電話での販売は９５９２億円で同３．７％増と引き続き増加しており、売上高全体の９割を占めている。
競輪では午後９時～１１時過ぎまで観客を入れずに行う「ミッドナイト競輪」が好評。ネットで車券を購入、映像で観戦するもので、各地で開催されるようになっている。(2023/03/23調査)

東京都競馬は大井競馬場（東京・品川）、伊勢崎オートレース場（群馬県伊勢崎市）を保有、管理しているほか場外馬券場も所有。２２年１２月期(連結）における公営競技事業の売上高（勝馬投票券＝馬券＝などの売り上げに対する賃貸料）は２６１億２００万円で前の期比１１．３％増。伸び率は前の期（１１．７％）とほぼ同じで好調。セグメント利益は１１９億９８００万円で同８．６％増。「SPAT4」（南関東４競馬場のインターネットによる在宅投票システム）などのインターネット投票の売上高が引き続き好調で、同システムに伴う賃貸収入は２２７億２１００万円で同８．１％増え、公営競技事業売上高の８７％を占めた。
大井競馬（愛称・東京シティ競馬）は、特別区競馬組合（東京２３特別区で組織する一部事務組合）が東京都競馬から競馬場を借りて開催している。大井競馬の２１年度の売上高は１８２８億６４００万円で前年度比５．７％増加した。開催１日平均の売上高は１８億８５００万円（前年度比７．９％増）で過去最高を更新した。(2023/03/23調査)