スタジアム

日本では、野球やサッカーなどを観戦する観客席付きの競技場をスタジアムと呼ぶことが多い。競技場やイベント会場として貸し出すことで収益を得るビジネスモデルである。 スタジアムの稼働率が業績に直結する。プロ野球球団は公式戦ホームゲームの過半数を専用球場（本拠地）で主催する義務を負っており、本拠地であるスタジアムは高い稼働率を達成することが可能となる。日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）に加盟するサッカークラブが、ホームスタジアムとして使用するスタジアムの稼働率も同じ傾向にある。
プロ野球やJリーグの試合がない日は、コンサートや各種イベントの会場として貸し出すことで稼働率の向上を図っている。スタジアムで試合や興行をする事業者の収益は、チケット販売や場内での飲食・物販で来場者から得る収益と、マスメディアへの放映権、マーチャンダイジング（商品化）権、スポンサーシップといった来場者以外から得る収益に分類できる。(2023/02/21調査)

スタジアム関連のビジネスは景気変動の影響を比較的受けにくい傾向があるが、中長期的な経営改善策を求められている。
スタジアムの稼働率を上げるため、本拠地になっているスポーツ以外のスポーツの試合に貸し出す。スタジアムを屋根で覆ったドームは、天候に左右されずに利用でき、コンサートなどスポーツ以外のイベント誘致を進めている。増収策としては、命名権（ネーミングライツ）を販売する動きも広がった。(2023/02/21調査)

スタジアムの東京ドームはプロ野球球団の読売ジャイアンツ（巨人）の本拠地。所有・運営者は、株式会社の東京ドームだが、２１年１月、三井不動産が完全子会社化し、全株式の２割は巨人の親会社、読売新聞グループ本社に譲渡した。２２年３月、大規模の改装工事が完成した。２０４０年代の完成を目指して周辺地区を含む再開発を予定、２２年６月に開発計画の策定に着手した。ドームは将来、建て替える。
東京・外苑地区に、人工芝・全面屋根付きのドーム型の新秩父宮ラグビー場が建設される。２７年１２月に開業予定。音楽コンサートなどにも使う。収容規模は、最大２万５００人（スポーツ時は１万５０００人）。事業はＰＦＩ（民間資金を活用した社会資本整備）方式で行われ、事業団が建設と３０年間の運営を担う。建設後に所有権は独立行政法人の日本スポーツ振興センターに移転する。２２年８月、事業団に鹿島、三井不動産、ソフトバンクなどのグループが決まった。(2023/02/21調査)