ＩＴコンサルティング

この業種に属する企業は、官公庁や一般企業、教育機関、専門事業者（金融、医療、ものづくりなど）を主要な顧客とし、その課題解決のために最適な業務システムやウェブシステム構築を提案、開発を請け負う事業者を指す。内容は現状分析によるコンサルティングから始まり、インフラ構築や更新、アプリケーションソフト開発・販売、ホスティングサービス、運用支援、システム運用効果の最適化、顧客満足度の向上などが含まれる。関連業務として、データ入力や情報システム部門のアウトソーシング、顧客向けヘルプデスクやコールセンター業務などを受託する場合もある。
コンサルティングにとどまらず、その後の開発や運用の支援まで総合的にサポートするのがこの業種の特徴だ。そのサポート範囲は各社様々のため、単純に企業間比較をすることが難しい。業務のほとんどが国内市場向け。発注元企業へシステムエンジニアを派遣することも多いため、新型コロナ感染拡大による影響も懸念される。(2023/01/03調査)

ITサービス大手各社は、金融機関向けやマイナンバー（社会保障と税の共通番号）関連などの需要が拡大。ＩＴコンサルティング各社も同様の受注環境であるといえる。金融ではＩＴと融合したフィンテックの需要が増えている。ＩＴコンサルティング企業が顧客に提案する内容は、近年は一般的な業務管理ソフトでもウェブブラウザー上から操作できるシステムが望まれている。アプリケーションソフトの提供・動作形式も、特定のサーバーに依存しないクラウドコンピューティング技術や、必要な機能のみをオンラインで構成・追加できるＳａａＳ（サース、ソフトウエア・アズ・ア・サービスの略称）技術への対応などが求められている。
また、スマートフォンやタブレット端末の普及によって、高速モバイルデータ通信への対応や交流サイト（ＳＮＳ）を巻き込んだ施策必要。さらに、個人情報保護、災害時のバックアップや緊急対応、サイバーテロ攻撃からの防御など、情報システムのセキュリティー強化に対する需要も根強い。(2023/01/03調査)

ＩＴコンサルティング各社の業績は、事業内容や顧客の状況に左右されやすい。顧客企業や官公庁の業務管理システム更新需要に依存するためだ。
経営コンサルティング世界大手のアクセンチュアはテクノロジー・コンサルティングに強みをもつ。インフラやネットワーク構築、クラウドやビッグデータの活用、ＩＴ戦略立案など様々なシーンに対応。１７年１月に企業向けロボティック・プロセス・オートメーション（ＲＰＡ）ソフトウエアの主要プロバイダーであるブループリズムと協業、サークルＫなど４０社以上と契約した。アクセンチュア米本社の２２年８月期売上高は６１６億ドル(約８兆６００億円、1ドル＝１４０円で換算）で、前の期比２２％増だった。日本法人であるアクセンチュアは２０年１０月、遠隔での製造ライン確認作業に関するサービスを始めた。取引先への情報開示などを助言する。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、遠隔技術の活用に対応する。(2023/01/03調査)