システム受注・ソフト開発（ＣＡＤ・ＣＡＭ）

ＣＡＤ/ＣＡＭとは機械の設計、製造や建築設計に用いられるコンピューター支援ツールである。近年、コンピューターの適用範囲は広がりを見せており、ＣＡＤ/ＣＡＭのほか、ＣＡＥ（Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ａｉｄｅｄ Ｅｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇ）、ＰＤＭ（Ｐｒｏｄｕｃｔ Ｄａｔａ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ）、ＥＤＡ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｄｅｓｉｇｎ Ａｕｔｏｍａｔｉｏｎ）など関連ソリューションが使われている。最近はこうしたソフトを統合して、ものづくりの川上から川下まで管理するＰＬＭ（Ｐｒｏｄｕｃｔ　Ｌｉｆｅｃｙｃｌｅ　Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ）も脚光を浴びている。
主に自動車や電機機器製造業などで機器や部品の設計に利用されるものは機械系ＣＡＤ/ＣＡＭ／ＣＡＥと呼ばれ、電子機器・半導体などの設計作業を支援するものはＥＤＡ、建築設計に用いられるものは土木・建築系ＣＡＤなどと呼ばれる。(2023/01/05調査)

ＣＡＤ/ＣＡＭ/ＣＡＥ市場はアジアを中心とする新興国の経済成長などを背景に拡大基調を維持している。世界の製造現場ではモノづくり革新を目指し、あらゆるものがインターネットにつながるＩoＴや高速通信規格「５G」を駆使した「スマート工場」の導入機運が急速に高まっている。ＣＡＤ/ＣＡＭ/ＣＡＥ市場もこうした動きと歩調を合わせ、着実な成長が期待される。
富士経済（東京・中央）によると、スマート工場を構築するためのシステム・製品の２５年の世界市場規模は１８年比３倍の６兆９５４３億円に拡大する見通し。中でもＡＩ（人工知能）を駆使し、設計・開発段階から生産までのプロセスを最適化するインテリジェント生産システムでは機械系３Ｄ（３次元）ＣＡＤ/ＣＡＭ が市場拡大をけん引。１８年に５８１０億円だった機械系３Ｄ　ＣＡＤ/ＣＡＭは２５年には１兆円規模になると予測している。(2023/01/05調査)

機械系ＣＡＤ/ＣＡＭ/ＣＡＥ市場ではダッソー・システムズ（東京・品川）が最大シェアを持つ。フランスに本社を置くダッソー・システムズが９４年に設立した日本法人。１６年１０月、東京と名古屋に研究開発拠点を新設した。同社が提供する３次元ＣＡＤソフト「ＣＡＴＩＡ（キャティア）」は世界の有力自動車メーカーが導入し、日本国内にも多数のユーザーを持つ。２１年１２月、ＮＴＴコミュニケーションズとスマートシティー向けの基本ソフト（ＯＳ）を共同で開発する覚書を結んだ。
次いで独シーメンスＰＬＭソフトウェアＪＰが続く。ドイツに本拠を置き、ＣＡＤ/ＣＡＭ/ＣＡＥ統合ソフト「ＮＸ」やＰＬＭ製品「Teamcenter（チームセンター）」が主力製品。国内ではソニーやヤマハ発動機などが同社製品を採用するなど実績を上げている。(2023/01/05調査)