倉庫・物流サービス（一般）

倉庫業は普通倉庫業、冷蔵倉庫業、水面倉庫業の３種類に大別され、普通倉庫業には設備・構造基準により１類、２類、３類の３つのグレードがあるほか、野積、貯蔵漕、危険品、トランクルームの種類がある。一般的な商品保管から、最近では倉庫を物流拠点と位置付け、在庫管理システムを導入して効率的な出入庫管理、発送業務を実施する物流企業が増加。物流の結節点として重要な役割を果たしている。
総務省のサービス産業動向調査（確報）によると、２１年の倉庫業の売上高は前年比４．６％増の３６５４億円だった。ネット通販や個人取引サイトの拡大で業態は高度化が続くが、一方でAI（人工知能）やロボットの導入が進み、非正規労働者の減少が目立つ。(2023/03/05調査)

日本通運や三菱倉庫、三井倉庫など主要２１社を対象にした国土交通省の「営業普通倉庫の実績」調査によると、２１年の月平均入庫数量は前年比１．０％減の２３８万トン、入庫金額は６．０％増の１兆６００億円。
不動産サービス大手のＣＢＲＥ（東京・千代田）によると、２２年第４四半期の首都圏大型マルチテナント型物流施設の空室率は５．６％と前期比０．４ポイント上昇した。その一方で、首都圏の実質賃料は１坪あたり４５４０円と、前期比０．２％下落した。下落は５年９ヶ月ぶり。郊外物件増加で需給が緩和した。実質賃料は、近畿圏で横ばい、中部圏で前期比０．３％上昇、福岡圏は同０．３％の下落。福岡圏では空室率１．０％と低い水準だが、賃料が低い地域での新規供給が賃料に影響した。(2023/03/05調査)

ＮＩＰＰＯＮ　ＥＸＰＲＥＳＳホールディングス（ＮＸＨＤ）傘下の日本通運は国内に約１万２５０の倉庫を抱える。世界的な半導体物流の混乱を受けて、国内外で半導体専用倉庫整備を急ぐ。三重県四日市市で国内初の半導体倉庫が稼働したのに続き、２３年にかけて広島県、米アリゾナ州に開設する。日本通運は２２年１２月、貨物船と鉄道を組み合わせて高圧ガスなどの危険物を北海道発着で運ぶサービスを始めた。危険物の通過が制限される青函トンネルを貨物船で迂回し、港からは鉄道で各地に運ぶことで安定的な輸送を可能にする。また同月、日本郵船全額出資の近海郵船（東京・港）と連携し、日本海ルート（敦賀港ー博多港）の海上輸送と鉄道輸送を組み合わせた新たな輸送サービスを始めた。労働規制強化でトラック運転手不足がさらに深刻化する「２０２４年問題」を見込んだ動き。２３年１月には、現金輸送の警備輸送事業を分社化、同分野を強化する。
三菱倉庫は医薬品物流に力を入れている。２２年、大阪府茨木市で医薬品向け物流センターを増設した。超低温物流を得意とする米クライオポートと提携し、日本での再生医療サプライチェーンを共同で構築する。２２年８月にはベトナムの合弁相手で物流大手イン・ド・トランスロジスティクス（ホーチミン市）に出資した。東南アジア地域でのコールドチェーン物流増大に対応する。(2023/03/05調査)