喫茶店・カフェ

コーヒーチェーンは喫茶店やカフェをチェーン運営し、店内でコーヒー飲料やサンドイッチなどの軽食を提供する業態。店舗面積は１００～２００平方メートルが多いが、郊外などでは３００～４００平方メートルの店も増えている。店の多くは都市部の駅前にあるが、住宅街や郊外の道路沿いに出店を進める企業もある。
喫茶店は個人経営が半分近くを占めるとみられている。日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場規模推計によると、２０２０年の喫茶店の市場規模は８０５５億円で、前年比３１．６％の大幅減少。市場は１２年以降、拡大基調となっていたが、コロナ禍の影響を受け急減した。(2023/02/19調査)

近年、個人経営の喫茶店が減り、ドトールコーヒーやスターバックス、タリーズコーヒーなどによるセルフサービス式コーヒーショップのチェーンの比重が増している。一方で、日本マクドナルドや日本ＫＦＣホールディングス、「デニーズ」を展開するセブン＆アイ・フードシステムズなど大手外食が、カフェ風の店舗の展開に乗り出している。２０２０年からは新型コロナウイルスの感染拡大による実質的な営業制限で経営環境は激変した。
他業態を含めて価格競争は厳しさを増している。日本マクドナルドがコーヒーを１杯１００円とする価格設定を打ち出した。さらに、セブン―イレブン・ジャパン、ローソンなどの大手コンビニエンスストアが１杯１００円からの淹（い）れたてコーヒーを提供、ビジネスマンなどが手軽に利用できる市場を創った。２２年夏からは一部の商品を値上げするなどでコスト高騰に対応し始めた。(2023/02/19調査)

店舗数の１位はスターバックスコーヒージャパンで、ドトール・日レスホールディングス（ＨＤ）傘下のドトールコーヒーがこれに次ぐ。スターバックスコーヒージャパンが展開する「スターバックスコーヒー」やドトールコーヒーの「ドトールコーヒーショップ」「エクセルシオールカフェ」はセルフサービス業態。コメダＨＤは従業員が客席で注文を取ってコーヒーを運ぶフルサービス型の「コメダ珈琲店」を展開する。
スターバックスコーヒージャパンは、米国のスターバックスが２０１４年にＴＯＢ（株式公開買い付け）で完全子会社にした。主に直営で店舗展開、店舗数は２２年３月末で１７０４店舗 （うちライセンス店舗１４２店舗）。同社は２２年１０～１１月、神戸市の店舗で商品のドローン配送実験に参加した。神戸ハーバーランドと人工島のポートアイランド間での配送実験用に飲み物を販売。神戸学院大学の学生や職員、住民などが注文できる。ドローン開発のＴＯＭＰＬＡ（新潟市、トンプラ）が実施した。(2023/02/19調査)