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医薬品卸

医薬品卸の業界定義医薬品の中間流通を主要事業として行う。一般家庭への配置販売を含む。

医薬品卸の業界概要

大手卸4社の売上高合計、9兆7000億円超える医薬品卸は製薬企業から薬を仕入れて、病院などの医療機関や薬局・ドラッグストアに販売する業態である。医療用医薬品(処方薬)は基本的に医薬品卸を通して届けられる。災害時でも安定して薬を届ける体制が求められ、各社は物流網の整備に積極投資している。扱う製品は処方薬だけでなく、包帯・ガーゼから注射器・注射針など医療用材料、さらに湿布薬や風邪薬、頭痛薬など一般用医薬品(大衆薬)。さらには歯磨きやトイレットペーパーといった日用品を扱う企業を子会社に持つほか、調剤薬局チェーンを傘下に持つ卸も登場している。
1990年には全国に約380社あるといわれ、各地に地盤を持っていた医薬品卸が合併や買収を繰り返し、2019年までに全国に販路をもつ大手4社(メディパルホールディングス、アルフレッサホールディングス、スズケン、東邦ホールディングス)を含む約70社まで業界再編が進んだ。大手4社の23年3月期連結売上高を合計すると9兆7594億円と、9兆円を大きく超える。(2023/05/17調査)

医薬品卸のレポート

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医薬品卸の市場動向

アルフレッサHD、再生医療製品の生産受託開始厚生労働省によると、2020年度の国民医療費は前年度比3.2%減の42兆9665億円となった。国民1人当たり医療費は同3.2%減の34万600円だった。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.02%(前年度は7.93%)だった。
医薬品卸が取り扱う医療用医薬品(処方薬)の市場構造が変わりつつある。日本で特徴的な「特許切れ医薬品(長期収載品)」が、2022年度にも後発薬を下回る見通しとなったからだ。長期収載品の市場規模は16年度で約2兆7000億円と、全体の3割近い。厚生労働省は薬価制度改革で、長期収載品の薬価を段階的に引き下げる。(2023/05/17調査)

医薬品卸の競合状況

物流・営業効率化など事業拡大競う日本経済新聞社の2021年度日本の卸売業調査(22年8月31日公表)によると、医薬品卸の21年度の売上高は前年度比4.2%増だった。新型コロナ感染症拡大に伴う受診控えが徐々に解消し、医療用医薬品の売り上げが回復した。コロナ関連の抗原検査キットなどを手掛けたことも売り上げ増につながった。ただ、薬価引き下げや後発薬普及など経営環境は厳しい。
医薬品卸の連結売上高上位は、最大手メディパルホールディングス(23年3月期連結売上高、3兆3600億円)、2位アルフレッサホールディングス(同、2兆6960億円)、3位スズケン(同、2兆3148億円)、4位東邦ホールディングス(同、1兆3885億円)となっている。(2023/05/17調査)

医薬品卸の関連業界

業界名分類概要業界内の企業
医療機器・医療用品卸各種医療機器、医療用サプライの中間流通を主要事業として行う。医療医薬向け研究機器・化学機器の中間流通を含む。

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