総合商社の業界概要
日本独自の業態、ビジネスモデルは大きく変貌
幅広い分野で商品・サービスの輸出入、卸売販売、中間流通等の事業を展開してきた総合商社は、日本独自の業態といわれる。「ラーメンからロケットまで」と言われるほど事業範囲は幅広く、石油や鉄鉱石、石炭など資源の権益投資から、電力や鉄道などインフラ関連の輸出や事業運営、さらに食料・繊維分野まで多岐にわたる。コンビニエンスストアへの出資など、小売業も代表的な事業である。最近では、進出先が金融事業や医療・医薬品、病院経営にまで広がっている。かつて商社は、原材料やエネルギー資源を海外から日本に輸入、日本製品を輸出する貿易業を中心にしてきた。その後は1980年代初めの「商社冬の時代」を迎え、2000年初めまで各社が大規模なリストラを断行し、業界再編も起こった。
経営モデルはかつての原油、鉄鋼、食糧の大口輸入を軸とする”バルクビジネス”から様変わりした。近年強化しているのは様々な事業会社に出資、経営を担い収益を得るビジネスだ。成長分野では単なる出資だけでなく、事業会社自体の買収や経営参加を積極化。トレーディングビジネスの比率は小さくなり、今の商社はメーカーや小売り、物流などの事業集合体といえる存在となっている。(2023/01/15調査)
経営モデルはかつての原油、鉄鋼、食糧の大口輸入を軸とする”バルクビジネス”から様変わりした。近年強化しているのは様々な事業会社に出資、経営を担い収益を得るビジネスだ。成長分野では単なる出資だけでなく、事業会社自体の買収や経営参加を積極化。トレーディングビジネスの比率は小さくなり、今の商社はメーカーや小売り、物流などの事業集合体といえる存在となっている。(2023/01/15調査)
総合商社の市場動向
「脱石炭」「再生可能・新エネルギー参入」広がる
発電に使う燃料用石炭の鉱山事業や石炭火力発電事業から撤退・縮小する「脱石炭」の動きが広がる。温暖化ガスの排出量削減に対応した動きだが、投資家が企業のESG(環境・社会・企業統治)活動を重視する傾向を強めているのも一因だ。鉱山事業では三菱商事と三井物産が豪州で、伊藤忠商事が豪州と南米コロンビアで炭鉱権益を売却した。住友商事も21年8月、豪炭鉱から撤退する方針を固めた。双日も海外に持つ石油権益を30年までに全て手放すとともに、石炭権益から50年までに完全撤退する。石炭火力発電事業では、住友商事が国内外で発電所建設などの新規開発を原則中止し、丸紅はアフリカで、三菱商事はベトナムで計画していた発電所開発から撤退、三井物産もインドネシアの発電所の権益を23年3月期中に売却する。
一方、再生可能エネルギーや新エネルギーへの取り組みは加速する。三菱商事は脱炭素関連で30年度までに2兆円を投資する。丸紅は台湾の太陽光発電開発会社を20年2月に買収、21年3月にはサウジアラビアでの大規模太陽光発電所の建設・運営に参画した。伊藤忠商事は産業ガス世界大手の仏エア・リキードと組んで、20年代半ばに世界最大級の液化水素製造プラントを中部地方に設置する。燃料用アンモニアは、伊藤忠商事が26年にカナダで、三井物産が27年に米国で生産を予定、三菱商事も30年代前半に米国で検討している。伊藤忠商事と三井物産は、再生航空燃料(SAF)の海外航空会社への供給に乗り出す。(2023/01/15調査)
一方、再生可能エネルギーや新エネルギーへの取り組みは加速する。三菱商事は脱炭素関連で30年度までに2兆円を投資する。丸紅は台湾の太陽光発電開発会社を20年2月に買収、21年3月にはサウジアラビアでの大規模太陽光発電所の建設・運営に参画した。伊藤忠商事は産業ガス世界大手の仏エア・リキードと組んで、20年代半ばに世界最大級の液化水素製造プラントを中部地方に設置する。燃料用アンモニアは、伊藤忠商事が26年にカナダで、三井物産が27年に米国で生産を予定、三菱商事も30年代前半に米国で検討している。伊藤忠商事と三井物産は、再生航空燃料(SAF)の海外航空会社への供給に乗り出す。(2023/01/15調査)
総合商社の競合状況
資源高追い風、4~9月期は伊藤忠除く6社が最高益
総合商社では三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事の上位5社がトップ集団を形成。トーメンを吸収したトヨタ自動車グループの豊田通商、日商岩井とニチメンが合併した双日が追いかける構図だ。
22年3月期決算(国際会計基準)は大手7社全ての純利益が資源高を追い風に過去最高になった。三菱商事が9375億円(前の期比5.4倍、以下同)と伊藤忠商事を抜いて首位に返り咲き、以下、三井物産が9147億円(2.7倍)、伊藤忠商事が8202億円(2.0倍)、住友商事が4636億円(前の期は1530億円の赤字)、丸紅が4243億円(90%増)、豊田通商が2222億円(65%増)、双日が823億円(3.0倍)だった。最高益の裏側では石油・LNG開発などロシア関連事業の損失処理も相次いだ。純資産のみを減額した分を含めると、7社のうち6社で総額2700億円のマイナスの影響があった。22年4~9月期決算は、伊藤忠商事を除く全社が資源高などで最高益になった。(2023/01/15調査)
22年3月期決算(国際会計基準)は大手7社全ての純利益が資源高を追い風に過去最高になった。三菱商事が9375億円(前の期比5.4倍、以下同)と伊藤忠商事を抜いて首位に返り咲き、以下、三井物産が9147億円(2.7倍)、伊藤忠商事が8202億円(2.0倍)、住友商事が4636億円(前の期は1530億円の赤字)、丸紅が4243億円(90%増)、豊田通商が2222億円(65%増)、双日が823億円(3.0倍)だった。最高益の裏側では石油・LNG開発などロシア関連事業の損失処理も相次いだ。純資産のみを減額した分を含めると、7社のうち6社で総額2700億円のマイナスの影響があった。22年4~9月期決算は、伊藤忠商事を除く全社が資源高などで最高益になった。(2023/01/15調査)
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