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建築材料(金属)

建築材料(金属)の業界分類
建築材料(金属)の業界定義
建築物に使用される金属製の建材(屋根、壁、ドアクローザ、金属製二重床、溶接金網、その他改修材など)を製造する。アルミサッシ、シャッター、鉄骨類を除く。

建築材料(金属)の業界概要

代表格は金属サイディング
金属系建築材料の代表的なものに金属サイディングがある。日本金属サイディング工業会によると、金属サイディングは成型・エンボス加工された金属板と裏打ち材を組み合わせた乾式工法の外壁材。工場生産され仕上がりが均一、塗装仕上げが不要、軽量で取り付けが容易などの特徴がある。寒冷地では外壁材に湿気が入り込み、それが凍結と融解を繰り返すことで基材の劣化を引き起こすが、金属サイデイングでは凍害の心配もないという。ひび割れがなく断熱性にも優れている。金属の表面材(塗装ガリバリウム鋼板、塗装溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム合金塗装板、塗装ステンレス鋼板など)と芯材、裏面材(断熱、防火、不燃などの機能がある)で構成される。表面材は防錆・耐候性が良好なアルミ55%合金メッキのガルバリウム鋼板が主流。欠点はあくまで金属のためさびなどで腐りやすく、さび止めが不可欠だ。
金属サイディングの流通は木建・金物ルートとアルミ建材のサッシルート、リフォーム業者ルートが主流で、一時期増えていた訪問販売業者への流通は少なくなっている。国内メーカーの金属サイディング事業はほぼ国内専業となっている。(2023/03/04調査)

建築材料(金属)の市場動向

亜鉛メッキ鋼板出荷量、21年17%増
金属サイディングは戸建てやアパートなどの住宅用途が中心で、全体の75%程度が住宅向けとされる。非住宅用途では仮設ハウスや工場・倉庫などが中心となっている。金属サイディングは当初、セメントや繊維を原料とする窯業系サイディングと比較すると意匠性や防火性能が低く、大手住宅メーカーの新築物件には採用されず、主にリフォームや寒冷地向けに採用されていた。しかし、金属らしさを生かしたスパン形状タイプによる意匠性の向上や下地への石こうボード採用による防火性能の向上などによって、新築での採用率が高まっている。
金属サイディングの市場は建築着工の動向に左右される。高度経済成長期は旺盛な需要に下支えされ成長してきたが、ポストバブル期以降、設備投資の削減などにより減少傾向にあった。リーマン・ショック以降はさらに設備投資が低下して、もう一段の減少傾向にある。今後を展望すると、建築投資の低下が継続すると想定され、中長期的に金属サイディングの市場は縮小傾向が続くとみられる。(2023/03/04調査)

建築材料(金属)の競合状況

高機能な金属素材の採用増加
金属サイディングの事業者は取り扱う商品により、専業メーカー(アイジー工業、チューオー)や、塗装鋼板から加工製品に参入した鋼板加工系メーカー(淀川製鋼所、日新総合建材、東邦シートフレーム)、アルミ建材系メーカー(旭トステム外装、YKKAP)などに分けられる。
アイジー工業は金属サイディングのパイオニア的存在。物流施設や商業施設など非住宅向けの金属サンドイッチパネルの需要増に対応し、2020年に水戸工場(茨城県城里町)で新棟を稼働した。20年6月にデザイン性を重視した高価な装飾用仕上げ材を発売した。20センチメートル四方の小さなパネルで、ビルの内外装としての活用を想定する。建築物の外壁に使う金属サイディング専用メーカーとして機能性を追求してきたが、新製品で新分野を開拓する。原材料のフッ素樹脂塗装鋼板の供給不足のため、21年11月からフッ素樹脂塗装商品の販売を制限した。代替商品として22年2月以降、ポリエステル樹脂塗装鋼板を採用した金属サイディングの発売を順次始めた。(2023/03/04調査)

建築材料(金属)の関連企業

三晃金属工業株式会社
1.各種鋼材、鋼板その他材料加工販売並びに設計施工請負に関する事業 2.建築、土木その他建設工事全般に関する事業 3.各種設備工事に関する事...

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