セメント・生コンクリート
セメント・生コンクリートの業界分類
セメント・生コンクリートの業界定義
コンクリート、モルタルの原料となるセメント及びセメントを主原料として生コンクリートを製造する。
セメント・生コンクリートの業界概要
地産地消で内需動向がカギ握る
セメントは大半がコンクリートに使われ、ポルトランドセメント(石灰石と粘土を混ぜて焼いたクリンカに石膏を加える)と混合セメント(ポルトランドセメントに混合材料を追加)、特殊セメントの3タイプがある。国内販売されるセメントの7割が普通ポルトランドセメント。コンクリートはセメントと水、細骨材(砂)、粗骨材(砂利)、混和材料から成る。他の用途にはセメントを水と混ぜたセメントベースや、これに砂を混ぜたモルタルがある。重く、運搬費がかかるため、地産地消が基本で、業績は内需動向に左右される。主原料の石灰石が多く採れる北九州地区・山口県と、国内最大の消費地の関東地区にメーカーが多く立地する。セメントの販売先は生コンクリートやコンクリート製品メーカー。生コンは参入障壁が低く、メーカーは1社1工場の小規模な会社も多い。これまで合併や不況カルテル結成などの構造改善策を繰り返したが、依然として過当競争状態が続く。
生コンクリートは製造後90分以内に使う必要があり、メーカー所在地からの供給範囲は限定される。メーカーは全国的に分布し、骨材の仕入れで価格差が生じる。セメント協会によると、国内セメント産業は2022年4月時点で企業が16社、工場が30カ所あり、クリンカ(セメントの中間製品)の生産能力は年間5320万トン。全国生コンクリート工業組合連合会によると、22年6月末時点で生コン製造業の企業は2830社、工場は3115工場ある。(2023/03/04調査)
生コンクリートは製造後90分以内に使う必要があり、メーカー所在地からの供給範囲は限定される。メーカーは全国的に分布し、骨材の仕入れで価格差が生じる。セメント協会によると、国内セメント産業は2022年4月時点で企業が16社、工場が30カ所あり、クリンカ(セメントの中間製品)の生産能力は年間5320万トン。全国生コンクリート工業組合連合会によると、22年6月末時点で生コン製造業の企業は2830社、工場は3115工場ある。(2023/03/04調査)
セメント・生コンクリートの市場動向
セメント国内販売、56年ぶり低水準
セメント協会が発表した2022年のセメントの国内販売量は前年比1.4%減の3749万トン。減少は4年連続で、56年ぶりの低水準だった。コロナ禍の影響に加え、公共事業が落ち込んだ。建設現場の人手不足で工事の進捗にも影響が及んだ。減少幅が大きいのは北陸(9%減)で、北陸新幹線の敦賀延伸工事が一巡した。東北(7.6%減)は、東日本大震災の復興工事が落ち着いた。輸出量は前年比17%減の957万トンと大幅に減少し、3年ぶりに前年を下回った。石炭の高騰で採算が悪化し、輸出が難しくなった。23年度の販売量は22年度見込み比1.6%増の3800万トンになる見通し。都市部の再開発に伴う民間の建設需要が支える。
全国生コンクリート工業組合連合会は、22年度の生コンクリートの需要を前年度比3.4%減の7350万立方メートルと見込む。統計を開始した1975年度以降で最低となる。4~9月の生コンの出荷量は前年同期比1.6%減の3700万立方メートルだった。上期ベースで前年を下回るのは5年連続。(2023/03/04調査)
全国生コンクリート工業組合連合会は、22年度の生コンクリートの需要を前年度比3.4%減の7350万立方メートルと見込む。統計を開始した1975年度以降で最低となる。4~9月の生コンの出荷量は前年同期比1.6%減の3700万立方メートルだった。上期ベースで前年を下回るのは5年連続。(2023/03/04調査)
セメント・生コンクリートの競合状況
デンカ、セメント事業から撤退
国内に16社あるセメントメーカーは専業と兼業に分けられる。専業は太平洋セメントと住友大阪セメントの2社。そのほかは、化学事業などで出た廃棄物を活用してセメントを造る兼業メーカーだ。セメント事業の収益改善に直結する値上げが難しい背景には、生コンクリートメーカーの抵抗だけでなく、セメントを本業としない世界的に珍しい兼業メーカーの存在も大きい。
内需縮小に対しセメントメーカーの数が多すぎるとの指摘も多い。しかし自社で出る産業廃棄物の行き先としてセメント生産を位置付けている兼業メーカーと、セメント事業で利益を確保する必要のある専業メーカーの狙いは違い、合従連衡の図を描きにくいともいわれる。日立セメント(茨城県日立市)は、2019年3月までに主要設備を停止、一般的なセメント生産から撤退した。東京五輪関連需要が終息し、採算が厳しくなると判断した。4月以降の生産は太平洋セメントに委託し、混合セメントなどの生産は続ける。(2023/03/04調査)
内需縮小に対しセメントメーカーの数が多すぎるとの指摘も多い。しかし自社で出る産業廃棄物の行き先としてセメント生産を位置付けている兼業メーカーと、セメント事業で利益を確保する必要のある専業メーカーの狙いは違い、合従連衡の図を描きにくいともいわれる。日立セメント(茨城県日立市)は、2019年3月までに主要設備を停止、一般的なセメント生産から撤退した。東京五輪関連需要が終息し、採算が厳しくなると判断した。4月以降の生産は太平洋セメントに委託し、混合セメントなどの生産は続ける。(2023/03/04調査)
セメント・生コンクリートの関連企業
住友大阪セメント株式会社
セメント製造・販売他
太平洋セメント株式会社
(1)セメント、レディーミクストコンクリート及びセメントを使用する製品の製造並びに販売
(2)土木建築材料の製造、加工及び販売
(3)石灰石...